LNG国際会議 安定供給に向けた新たな枠組み提案へ 日本

LNG=液化天然ガスの産出国と消費国による国際会議が18日、東京都内で開かれます。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに安定供給への懸念が根強いなか、日本は需給のひっ迫に備えて、国際機関を中心に各国が協力する新たな枠組みを提案する方針です。

この会議には日本をはじめ、アメリカや韓国、EU=ヨーロッパ連合など15の国や地域の担当閣僚や企業の関係者などが参加します。

火力発電の主な燃料となるLNGをめぐっては、主要な産出国のロシアがウクライナに侵攻したことで、価格が一時、急騰したうえ、ロシア産の天然ガスからの代替調達などでLNGの需要拡大が見込まれる中で、安定供給への懸念が根強くなっています。

このため、今回の会議で日本は需給のひっ迫に備えて、国際機関を中心に各国が協力する新たな枠組みづくりを提案する方針です。

具体的には、IEA=国際エネルギー機関がLNGの消費国の調達先や備蓄の状況を把握し、ひっ迫への備えが不十分な場合には提言を行うほか、将来的には需給がひっ迫した際に備蓄に余裕がある国に対し、融通を求めるなどの調整を行うことを目指すとしています。

IEAでは、石油については加盟国に備蓄を義務づけたり、需給がひっ迫した際に協調して放出を呼びかけたりしていますが、日本としては安定供給が課題となっているLNGでも、こうした枠組みづくりを進めたい考えです。

EUに安定供給に向けた協力を呼びかけ

LNGの需給ひっ迫に備えた新たな枠組みの実現に向けて、経済産業省は国際会議に出席する国や地域に対する働きかけを強めています。

17日は、資源エネルギー庁の担当者が会議に参加するEU=ヨーロッパ連合の執行機関、ヨーロッパ委員会の担当者と会談しました。

エネルギーの多くをロシアに依存していたヨーロッパは、ウクライナ侵攻以降、ロシアからの天然ガスの供給が大幅に減少したことなどで一時、価格の急騰に見舞われ、安定供給の面での課題が浮き彫りになりました。

一方、EU域内では、需給がひっ迫した場合に備えて、多くの天然ガスを地下深くに備蓄している国々もあることから、17日の会談では、日本側からEUに安定供給に向けた協力を呼びかけました。

これに対してEU側からは、日本と連携していきたいとの意向が示されたということです。

資源エネルギー庁資源開発課の平井貴大総括補佐は、「ヨーロッパの国々と日本が協力すれば、LNG市場の安定につなげていける。引き続き、政府間で議論して協力の形を探っていきたい」と話しています。