京アニ放火から4年 遺族「命の尊さを訴えかけられる裁判に」

「京都アニメーション」のスタジオが放火され社員36人が亡くなった事件は、18日で発生から4年となります。
殺人や放火などの罪で起訴された青葉真司被告の裁判はことし9月から始まる予定で、遺族の1人は「命の尊さを訴えかけられるような裁判になってほしい」と話しています。

4年前の7月18日、京都市伏見区にある「京都アニメーション」の第1スタジオが放火され、社員36人が亡くなり、32人が重軽傷を負いました。

この事件で、殺人や放火などの罪で起訴された青葉真司被告(45)の裁判員裁判は、ことし9月5日に初公判が開かれ、来年1月25日に判決が言い渡される予定です。

裁判では被告の刑事責任能力について争われる見通しで、被告人質問で事件を起こした動機なども問われることになります。

事件で亡くなったアニメーターの遺族は「事件から4年がたっても、悔しさや悲しさは深まる一方です。同じような事件で犯罪者、被害者が2度と出てほしくありません。そのためにも命の尊さを訴えかけられるような裁判になってほしいです」と話していました。

別のアニメーターの息子を亡くした遺族は「何年たとうと息子が帰ってくることはなく、傷が癒やされるということはまったくありません。4年の間に被告の考えも変わっていると思います。なぜあんなことをやってしまったのか、悪いことをしたと思っているのか、現在の気持ちを裁判で語ってほしい」と話していました。

18日は現場のスタジオ跡地で、事件が発生した午前10時半ごろにあわせて遺族や会社の関係者が出席して追悼の式典が開かれます。

京都アニメーションでは、周辺の混乱を避けるため一般の人に現場周辺を訪れないよう呼びかけていて、代わりに午前10時半から「YouTube」の京都アニメーションの公式チャンネルで、追悼のための映像を配信することにしています。