ウクライナ軍による反転攻勢 “兵器2割失われた” 米有力紙

ウクライナ軍による反転攻勢について、アメリカの有力紙は、開始から2週間で、戦場に送られた兵器の2割が失われたと報じ、反転攻勢が遅れていると指摘しました。一方、ウクライナ産の農産物をめぐるロシアとウクライナの合意が17日に期限を迎えることから、延長できるか、協議の行方が注目されています。

ウクライナ国防省のマリャル次官は16日、東部ドネツク州の激戦地、バフムトの南側でウクライナ軍が前進したとする一方で、同じ東部のハルキウ州では、この2日間にわたって、ロシア軍による激しい攻撃を受けウクライナ軍が守勢に回っていると明らかにし、前線で一進一退の攻防が続いているとみられます。

ウクライナ軍の反転攻勢についてアメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは、15日付けの電子版で欧米の当局者の話として、始まってから最初の2週間で、戦場に送られた兵器の2割が失われたと報じました。

欧米から供与された戦車なども含まれるとしています。

その後、ウクライナ軍は長距離ミサイルなどを活用した戦術に切り替えたことで損失のペースは落ちたとしていますが、「反転攻勢は遅くなり、一部の地域では止まった」と指摘しています。

こうしたなかロシアのプーチン大統領は16日に放送された国営ロシアテレビのインタビューで、ウクライナ軍の反転攻勢について「敵の試みは成功していない」と述べ、ロシア軍が優位に立っていると主張しました。

また、アメリカがウクライナへの供与を発表した殺傷能力が高いクラスター爆弾について「もしわれわれに対して使用された場合、同様の対応をとる権利がある」とけん制しています。

一方、17日にはウクライナ産の農産物をめぐるロシアとウクライナの合意が期限を迎えます。

これまで、合意期限は3度延長されましたが、今回、ロシア側は期限の延長に応じない構えも示していて、国連や仲介役のトルコなどとの協議の行方が注目されています。