日本・サウジアラビア首脳会談 エネルギー分野での協力を確認

中東最初の訪問国、サウジアラビアを訪れている岸田総理大臣は、ムハンマド皇太子との首脳会談に臨み、脱炭素化に向けてエネルギー分野での協力を確認したほか、外交安全保障分野の交流を促進するため、外相級の「戦略対話」を新たに設けることで一致しました。

岸田総理大臣とムハンマド皇太子との首脳会談は、日本時間の午前3時すぎに始まり、途中から夕食もとりながら、あわせて2時間あまりにわたって行われました。

会談で両首脳は、ウクライナ情勢も背景に国際エネルギー市場の先行きが見通せない中、原油の安定供給が重要だという認識を共有しました。

そして岸田総理大臣は、サウジアラビアが再生可能エネルギーの導入をはじめ、産業の多角化を図っていることを踏まえ、水素やアンモニアなど、次世代エネルギーの分野で日本が持つ先端技術を通じて後押しする構想を伝え、脱炭素化に向けて協力を進めていくことを確認しました。

またロシアや中国の動向を念頭に法の支配の重要性を強調して連携を呼びかけ、両首脳は外交安全保障分野の交流を促進するため、外相級の「戦略対話」を新たに設けることで一致しました。

岸田首相「中東地域をグローバルな供給のハブに」

岸田総理大臣は、首脳会談のあと記者団に対し「会談では、エネルギー市場の安定の重要性を確認するのみならず、クリーンエネルギーや脱炭素に不可欠とされる重要鉱物の分野で協力を抜本的に深めていくことで一致した」と述べました。

その上で「具体的には日本の技術を活用して、中東地域をクリーンエネルギーや重要鉱物のグローバルな供給のハブにしていく。新たな取り組みによって、産油国と消費国というこれまでの日本とサウジアラビアのエネルギー関係から脱皮し、脱炭素の時代における新たなグローバルパートナーシップに深化させる」と述べました。