社会

熱中症対策 冷房の施設を開放「クーリングシェルター」広がる

熱中症を防ぐため全国の自治体では、冷房が効いた民間施設などを「クーリングシェルター」として開放する動きが広がっていて、都内でも利用者が増えています。

東京 墨田区 薬局を「クーリングシェルター」に

このうち東京 墨田区では、区内にある31の薬局から協力を得て、6月1日以降、「クーリングシェルター」として開放しています。

誰でも利用することができ、訪れた人には熱中症対策として経口補水液や塩あめ、それに冷却効果がある市販品のシートなどを無償で提供しています。

また、薬剤師が熱中症を予防するためのポイントも伝えていて、薬を受け取りにきた住民に熱中症予防の説明をしたあと、塩あめなどを渡していました。

利用した墨田区に住む70代の男性は「最近は暑さが厳しいので、涼しいところで座れたり、熱中症に関する知識を聞けたりするのはとてもありがたいです」と話していました。

「オリーブ薬局」の薬剤師の浅尾一夫さんは「薬局は処方箋がないと入りづらいイメージがあると思いますが、経口補水液などの用意もあるので、散歩中や買い物帰りなどに気軽に立ち寄って休憩してほしいです」と話していました。

政府 改正法を施行 「熱中症特別警戒アラート」発表へ

厳しい暑さによる熱中症の対策を強化するため、政府はことし4月に改正気候変動適応法を成立させ、来年春に施行する方針です。

改正法では現在の「熱中症警戒アラート」に加え、さらに気温が上がって深刻な健康被害が予想される場合に、1段上の「熱中症特別警戒アラート」を発表するとしています。

また、自治体に対し、公共施設だけでなく、ショッピングセンターなどの民間施設の冷房が効いた部屋を「クーリングシェルター」として事前に指定し、特別警戒アラートが発表された場合に開放することを求めています。

環境省によりますと、全国ですでに125の自治体が取り組みを進め、図書館などの公共施設のほか、コンビニエンスストアや銭湯、薬局などの民間施設を避暑施設として開放しているということです。

環境省は今後、「クーリングシェルター」の具体的な要件を示すとともに、多くの自治体の参加を呼びかけたいとしています。

専門家「熱中症の症状を早く察知し行動を」

暑さの対策に詳しい専門家は、熱中症警戒アラートが出されている地域などでは外出はできるだけ控えるとともに、外出する場合は服装などに気をつけ、日ざしを避けるよう呼びかけています。

町なかでの暑さ対策などを研究している環境情報科学センターの石丸泰さんは「熱中症警戒アラートが出されている地域などでは、高齢者や基礎疾患がある人は外出の予定を検討して、延期できるのであれば予定を調整したほうが安全だ。若い人でも前の晩に多く飲酒したり睡眠が不足している場合は外出を見直してほしい」と話しています。

その上で、外出をする場合は、
▽服装に気をつけるとともに、
▽冷たい水やお茶を持ち歩き、
▽日傘や帽子を使って日ざしを避けるよう呼びかけています。

このうち、服装については、
▽日ざしをできるだけ反射できるよう白っぽい色で、
▽熱がこもらないようゆったりとしたものが、
望ましいということです。

歩く場所にも注意が必要だと指摘しています。

石丸さんによりますと、気温が30度でも、日ざしを遮るものがないアスファルトの上では体感気温は40度ほどになる可能性があるということです。

一方で、日陰となっている場所では体感温度は5度から7度ほど低くなる可能性があるということで、できるだけ日陰や木陰を歩くと熱中症予防につながるといいます。

さらに、人混みや風通しの悪い場所は避けるとともに、自治体が指定している冷房が効いた民間施設などの「クーリングシェルター」などを利用して、休憩をとることも大切だと話しています。

石丸さんは「自分の体にきちんと関心を持ち、暑くてぼーっとしてくるなど、熱中症の症状をできるだけ早く察知して行動してほしい」と呼びかけています。

最新の主要ニュース7本

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

特集

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

スペシャルコンテンツ

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

ソーシャルランキング

一覧

この2時間のツイートが多い記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

アクセスランキング

一覧

この24時間に多く読まれている記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。