米 俳優の労働組合 43年ぶりストライキ 報酬引き上げなど求め

アメリカの俳優でつくる労働組合は報酬の引き上げやAIの活用に関する規制づくりなどを求めて43年ぶりのストライキに入り俳優たちが映画会社などの前でデモを行っています。

アメリカの俳優でつくる労働組合は14日の午前0時、日本時間の14日午後4時から43年ぶりにストライキに入りました。

ロサンゼルス郊外にある大手映画会社のスタジオの周辺ではすでに5月からストライキを実施している脚本家たちに俳優たちも加わり、数百人が「ストライキ中」と書かれたプラカードを掲げてデモを行っていました。

組合側は▼動画配信サービスの急速な拡大を受けた報酬の引き上げや▼利用が拡大する生成AIに関する規制づくりを映画会社などの団体に求めています。

デモが行われた通りでは、行き交う車からストライキを支持する意味を込めてクラクションが盛んに鳴らされていました。

参加していた俳優の女性は「身一つで仕事をしているのでそれに対する公正な報酬を求めています。AIを使って人間や物語をつくり出して利益を得るようなことは仕事から人間性を奪ってしまいます」と話していました。

アメリカの複数のメディアによりますとストライキによってハリウッドではすでに映画やドラマの撮影延期が相次いでいて影響はさらに広がりそうです。

トム・クルーズさん出演 都内のイベント中止

アメリカ、ハリウッドの有名俳優などが加入する労働組合がストライキに入ったことを受け、日本で行われるイベントにも影響が出ています。

7月17日と18日には俳優のトム・クルーズさんが出演する映画の最新作をPRするイベントが本人や監督も来日して都内で行われる予定でしたが、ストライキを受けて中止されました。

同様のPRイベントはこれまでイタリアやアメリカ、韓国など世界各地で行われ、日本が最後の開催地だっただけにSNS上ではイベントの中止を惜しむ声が相次いでいます。