福島第一原発 難航していた汚染された配管の撤去完了

福島第一原子力発電所では、事故の際に高い濃度の放射性物質に汚染された配管の撤去が難航していましたが、東京電力は、このうち直接廃炉の妨げとなっていた部分の撤去作業を14日に完了させたと発表しました。

1号機と2号機につながる「SGTS配管」

撤去されたのは1号機と2号機につながる「SGTS配管」と呼ばれる配管で、12年前の事故の際、放射性物質を含む気体を放出する「ベント」という操作をした際に内側が汚染されました。

東京電力は、この配管が1号機の建屋全体を覆う大型カバーの設置の妨げとなることから、去年3月から撤去作業を行っていました。

作業は、現場の放射線量が高いことから、クレーンと切断装置を使って遠隔で行われ、当初は1か月程度で完了させる計画でしたが、機器の不具合などが相次ぎ、1年以上にわたって難航していました。

これについて、東京電力は14日に、全体でおよそ135メートルある配管のうち、直接カバーの設置の妨げとなる97メートルの部分の撤去作業が完了したと発表しました。

廃炉作業に直ちに影響しない、残りの部分については2025年度中の撤去を目指しているということです。