【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(15日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる15日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ ワグネルに訓練実施のベラルーシに警戒強める

ベラルーシの国防省がロシアで武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの戦闘員を国内に受け入れ、訓練を行ったことを明らかにしたことを受けて、ウクライナのゼレンスキー大統領は14日に公開した演説で、「ベラルーシの状況について国防省のブダノフ情報総局長から重要な報告があった。安全保障の観点から何が起きているか注視している。現時点では大規模な脅威はない」と述べました。

ウクライナは北部でベラルーシと国境を接していて、ウクライナの現地の司令官は、過去10日間で国境地帯の30か所におよそ5800の地雷を設置したと発表していて、ベラルーシ側の動きに警戒を強めています。

ウクライナ軍 “ロシア軍が無人機6機で攻撃 4機を撃墜”と発表

ウクライナ軍の参謀本部は15日、ロシア軍がイラン製の無人機6機で攻撃をしかけ、このうち4機を撃墜したと発表しました。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は14日、「ウクライナ軍は少なくとも3つの前線で反撃作戦を継続し、一部では前進している」と指摘し、東部ドネツク州のバフムト方面や南部ザポリージャ州の主要都市メリトポリ、それにアゾフ海に面した港湾都市ベルジャンシクに向かう方面でそれぞれ反転攻勢を続けているとしています。

米 ブリンケン国務長官 ロシアを非難

アメリカのブリンケン国務長官は14日、インドネシアの首都ジャカルタで開かれたASEANと関係国の一連の会議のあと、現地で記者会見しました。

この中でブリンケン長官は会議に同席したロシアのラブロフ外相について、ウクライナへの軍事侵攻に関して方針を変更することを示唆する発言はなかったと振り返るとともに、「世界のあらゆる問題の責任をアメリカに押しつけようとした。建設的でも生産的でもなかった」と強く批判しました。

一方、アメリカ国務省などを標的に、中国に拠点を置くハッカー集団がサイバー攻撃を行ったとみられていることについては、「調査中だ」とした上で、「一般論として、中国などに対し、アメリカ政府などを標的にした行動に対しては適切な行動をとると明確にしてきた」と述べるにとどめました。

ウクライナ産農産物の輸出 合意期限迫る

ロシアとウクライナは去年7月、国連とトルコの仲介でウクライナ産農産物の輸出再開で合意し、その後、合意の期限は3度延長されていますが、今回、ロシア側は期限の延長に応じない構えを示しています。

これに関連してロシアのプーチン大統領は13日、国営テレビのインタビューで、「ロシアの利益に関する点は1つも履行されていない」と不満を示し、「選択肢の1つとして、われわれは合意への参加を一時的に停止できる」と強調しました。

一方、仲介役を務めるトルコのエルドアン大統領は14日、記者団に対し、「プーチン大統領とは農産物の輸出合意は延長されるべきだという点で一致している。国連のグテーレス事務総長もプーチン大統領に書簡を送ったが、ロシアとわれわれの努力によって合意が延長されることを望んでいる」と述べ、国連とともにロシア側と協議を続けていく考えを重ねて示しました。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は14日、「追加の検討を行う」として、期限ギリギリまで対応を続ける考えを示していて、合意が延長できるかどうか、仲介役のトルコなどとの協議の行方が焦点となっています。

ベラルーシ国防省 ワグネル戦闘員が兵士に訓練

ロシアと同盟関係にあるベラルーシの国防省は14日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員がベラルーシの部隊の兵士に対して訓練を行ったと発表しました。

訓練は首都ミンスクの南東にある演習場で行われたとしていて、「招集された兵士が射撃の技術や医療の知識を習得している。ワグネルの戦闘員が教官を務めた」などと明らかにしたうえで、訓練の様子だとする映像を公開しています。

ベラルーシのルカシェンコ大統領は、ロシア国内で武装反乱を起こしたワグネルの代表プリゴジン氏とロシアのプーチン大統領との仲介役を担ったとされ、ルカシェンコ大統領はワグネルの部隊を国内に受け入れることを歓迎する考えを示していました。

ベラルーシ国防省も7月11日にワグネルの戦闘員と訓練を行い、戦闘の技術などを習得する計画を示していて、欧米側をけん制するねらいもあるとみられます。