東京 世田谷 区役所本庁舎建て替え 2年近く遅れる見通し

4年後の完成を目指して建て替え工事が進められている東京 世田谷区の区役所本庁舎について、大手建設会社が工程計画などを誤ったため、全体の完成予定が2年近く遅れる見通しになったことがわかりました。仮庁舎で業務をする期間が大幅に長くなるおそれもあり、区は損害賠償について協議を進め区民の負担が生じないようにするとしています。

老朽化に伴う世田谷区役所の建て替え工事は、3期に分けて行われる計画で、おととしから1期の工事が進められています。

しかし、受注した大成建設は、一部の工程の見通しを誤ったことなどから1期工事の完成が当初より8か月遅れる見通しをことし5月、区に示していました。

これまで工期全体の影響を調べていましたが2期工事で6か月半、3期工事でも8か月とそれぞれ遅れが発生し工事全体の遅れは22か月半と、2年近くに達する見通しになったと14日、区に伝えました。

完成は2029年8月とされています。

理由には
▽解体工事と区役所の引っ越し作業が並行してできないとわかったことや
▽工程表を作る上で作業員や機械の数を誤っていたことなどを挙げています。

現地建て替えのため、すでに一部の部署は仮庁舎で業務をしていて、今後、仮庁舎の賃貸借契約を延長するための費用など、区側の負担が新たに発生するおそれがあります。

保坂展人区長はコメントを発表し「本庁舎は区民サービスの拠点であるだけでなく、災害時の司令塔となり、区民が集い、利用する機能も有しています。約2年にわたって契約時よりも大幅に遅延することでの影響は計り知れません」とした上で、区としても工期の短縮が可能か専門家による検証委員会を設置し大成建設と協議するとしています。

また、損害賠償についても協議を進め区民の負担が生じないよう対応する方針です。

大成建設「事態の重大さを痛感」

大成建設は「区民の皆様に多大なるご迷惑をお掛けし、誠に申し訳なく、深くおわび申し上げます。世田谷区に生じる損害については真摯(しんし)に対応します。事態の重大さを痛感するとともに、全社をあげて事業完遂に向けて全力を尽くしてまいります」とコメントしています。