サンゴ移植許可指示“違法ではない”沖縄県の訴え不採用

アメリカ軍普天間基地の移設工事をめぐり、農林水産大臣がサンゴの移植を許可するよう沖縄県に出した指示について、国と地方の争いを調停する「国地方係争処理委員会」は、違法ではないとして、取り消しを求めていた沖縄県の訴えを採用しないことを決めました。

アメリカ軍普天間基地の移設工事をめぐって、沖縄防衛局は去年7月、埋め立て予定海域のうち、軟弱地盤が見つかった区域に生息するサンゴおよそ8万4000群体の移植作業を行う許可を県に申請しましたが、県は認めませんでした。

これに対し、水産資源の保護を所管する農林水産省はことし3月、沖縄県に対し、沖縄防衛局の申請を許可するよう是正の指示を出したことから、沖縄県は、国と地方の争いを調停する「国地方係争処理委員会」に指示の取り消しを申し出ていました。

委員会は、これまでに双方から意見を聞くなどして審査を進め、14日の会合で審査を終えました。

菊池洋一委員長は、記者会見を開き、農林水産大臣の指示は、地方自治法の要件を満たしていて、違法であるとする沖縄県の主張は採用しないと決めたことを明らかにしました。

この決定について沖縄県が不服がある場合は高等裁判所に提訴することができます。