インド 月探査機打ち上げ 4年ぶりの再挑戦 成功すれば4か国目

インドは日本時間の14日午後、月面で調査を行うため無人の探査機を打ち上げました。4年前は月への着陸に失敗していて、今回が再挑戦となります。

インドの宇宙研究機関=ISROは、現地時間の午後2時半すぎ、日本時間の午後6時すぎに、南部アンドラプラデシュ州にある宇宙センターから探査機「チャンドラヤーン3号」を打ち上げました。

探査機は地球を周回したあと月へ向かい、8月23日ごろに月面への着陸を試みる予定です。

インドは前回、4年前に探査機「チャンドラヤーン2号」を打ち上げましたが、ソフトウエアの不具合で月面に衝突し、着陸に失敗しています。

月面への探査機の着陸にはこれまで旧ソビエト、アメリカ、それに中国が成功していて、インドが成功すれば4か国目となります。

月探査をめぐっては、アメリカと中国がそれぞれ有人の月面着陸を計画するなど、各国の競争が激しくなっています。

インド 月探査の経緯は

「チャンドラヤーン3号」は月の軌道に入るまでを制御する「推進モジュール」のほか、月面に降り立つ「着陸機」と、月面を走行する車「ローバー」の3つで構成されます。

「チャンドラヤーン」は古代からインドなどで使われたサンスクリット語で「月への乗り物」を意味します。

インドは2008年、初号機となる月探査衛星「チャンドラヤーン1号」を打ち上げ、予定どおり月を周回して上空から観測を行い、月の表面に水が存在することを示す画期的な分析結果につながりました。

そして、11年後の2019年、初の月面着陸に挑むため、2号機となる「チャンドラヤーン2号」を打ち上げ、月の軌道に投入することに成功しました。

しかし、1か月余りたったその年の9月、月面への着陸を試みた際に、高度2.1キロまで降下したところで通信が途絶え、月面に衝突して着陸は失敗に終わりました。

失敗はしたものの、目標地点の付近には到達したとみられることや月の上空をまわる「周回機」は正常に機能したことなどから、インドが月探査に必要な高いレベルの技術力を持っていることが示されました。

4年ぶりとなる後継機の「チャンドラヤーン3号」の打ち上げは、月面着陸への再挑戦となります。

インドのモディ首相は、月探査以外でも宇宙船による有人の宇宙飛行を実現させる方針を示しているほか、独自の宇宙ステーションの建設計画も明らかにするなど、宇宙開発に力を入れる姿勢を示しています。