“外科医の男女機会均等 課題改善” 日本消化器外科学会が宣言

外科の医師が手術を執刀する機会について、男性と女性で差があるなど機会均等の推進に課題がある現状を改善しようと、日本消化器外科学会は14日に開かれた総会で、データの検証や現場の意識改革を進めて、男女均等な活躍に向けた支援を行っていくことを盛り込んだ宣言を発表しました。

函館市で開かれた日本消化器外科学会の総会では、「男女共同参画」をテーマに発表などが行われました。

その中で、胃や腸など「消化器」と呼ばれる臓器の診療にあたる消化器外科では、女性医師の割合が増えている一方で、2017年までの5年間に行われた主な手術およそ115万件を分析した結果、医師1人当たりの手術の執刀数は男性医師のほうが女性医師より多く、難易度が高い手術ほど差が大きいことなどが報告されました。

手術の執刀数は技能の向上やキャリアアップの機会の差にもつながるということで、学会では、
▽手術の執刀数を定期的に検証し、2032年までに中程度の難易度の手術の執刀数の男女差をなくすことを目指すとともに、
▽現場の意識改革を進めて、一人ひとりが希望するキャリアを達成できるよう支援する、
とした宣言を発表し、理事長らが調印しました。

日本消化器外科学会の北川雄光監事は、「男女の区別なく意欲のある人が活躍していけるよう、学会としてもこうあるべきという姿を示すことで、共通の意識をもって取り組みを進めていきたい」と話していました。