中国「汚染水」発言に林外相が反論

ASEAN=東南アジア諸国連合と、日中韓3か国の外相会議がインドネシアで開かれました。福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画について、中国が「汚染水」という表現を使って反対したのに対し、林外務大臣は科学的根拠に基づかない主張だとして国際基準にのっとって実施していくと反論しました。

会議にはASEAN各国の外相のほか、林外務大臣、中国で外交を統括する王毅政治局委員、韓国のパク・チン外相が参加し、日本時間の13日午後6時すぎから1時間余り行われました。

冒頭、林外務大臣は「国際社会は歴史的な転換期を迎えている。インド太平洋地域が成長の中心であり続けるには、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持し強化することが不可欠だ」と述べました。その上で、北朝鮮による弾道ミサイルの発射や、ロシアによるウクライナ侵攻を厳しく非難しました。

外務省によりますと、この中で中国の王毅政治局委員が福島第一原発にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画について「汚染水」という表現を使って反対の立場を示したということです。

これに対し、林大臣は科学的根拠に基づかない主張だとしてIAEA=国際原子力機関の報告書の内容を踏まえ国際基準と国際慣行にのっとって実施していくと反論しました。

松野官房長官「科学的根拠に基づいた議論を」

松野官房長官は、午後の記者会見で「わが国としては引き続きIAEA=国際原子力機関の報告書の結論を踏まえ、高い透明性を持って国際社会に丁寧に説明していく考えであり、中国側に対しては科学的根拠に基づいた議論を行うよう強く求めていく」と述べました。