ドイツ政府 初めて中国政策を公表 依存解消を急ぐ方針

中国との経済関係の強化を重視してきたヨーロッパ最大の経済大国ドイツは、政府として初めての中国政策を公表し、ロシアへのエネルギー依存の教訓などを踏まえて、中国依存の解消を急ぐ方針を打ち出し経済界にも対応を促しました。

ドイツ政府は、13日の閣議で政府として初めての中国政策をまとめた文書を承認しました。

ドイツはメルケル前政権が中国との経済関係の強化を進め最大の貿易相手国となりましたが、近年は人権問題や海洋進出などから警戒感が高まり、いまのショルツ政権はロシアへのエネルギー依存の教訓も踏まえ、これまでの対中国戦略を見直す方針を明らかにしています。

公表された文書では、中国をパートナーだとしながらも中国がロシアと関係をいっそう強化し、インド太平洋地域では覇権を目指しているとした上で「対立と競争の要素を増大させている」として、対応の見直しが必要だと強調しています。また、台湾情勢を巡っては「台湾海峡の現状は平和的な方法で双方の合意によってのみ変更しうる」とし、軍事力による現状変更は認めないとしています。

そして、中国との経済関係は維持しながらも、レアアースなど経済にとって重要な分野での依存の解消を急ぐ方針を打ち出しました。

ベルリンで講演したベアボック外相は「中国市場への依存度が高い企業は、財務リスクをより多く負うことになる」と述べて経済界にも対応を促しており、中国への依存リスクをどこまで減らせるのか注目されます。