財務省 介護人材の賃上げなど職員に還元する仕組み作り必要

介護人材の処遇改善に国が予算を計上する中、財務省は、介護サービスの事業者について、保有する現預金が多くなっても、職員の給与は一定の水準で横ばいになっているという調査をまとめ、賃上げなど職員に還元する仕組み作りが必要だとしています。

介護の人材不足への対応として国は処遇改善の予算を計上していますが、財務省は現場の実態を把握するため、介護サービスをてがける社会福祉法人が保有する現預金や積立金の状況と職員の給与について調べました。

把握できる6000余りの法人を、保有する現預金や積立金の規模でグループ分けして調べた結果、現預金などが最も少ないグループでは職員1人あたりの給与は年間411万円程度でした。

一方で、現預金などが多いグループでは職員の給与は430万円程度まで上昇しますがそれ以上、現預金などが多くなっても給与水準は横ばいだったということです。

またこの調査では、法人が保有する現預金や積立金は2019年度の1法人あたり4億1000万円程度から2021年度には4億4000万円余りに増えていたということです。

財務省は、一部の法人では保有する現預金などが増えても給与に還元されていない可能性があると分析し、賃上げなど職員に還元する仕組み作りが必要だとしています。