日中韓とASEANの外相会議 インド太平洋地域の海洋協力議論か

インドネシアで開かれているASEAN=東南アジア諸国連合と関係国の一連の会議では13日、日中韓とASEANの外相会議が行われ、各国が重視するインド太平洋地域での海洋協力などについて意見を交わしたものとみられます。

日中韓とASEANによる「ASEAN+3」の外相会議は日本時間の13日夜、日本の林外務大臣、中国は外交を統括する王毅政治局委員、韓国からはパク・チン(朴振)外相が参加して行われました。

会議の冒頭で林外務大臣は「国際社会は歴史的な転換期を迎えている。インド太平洋地域が成長の中心であり続けるためには、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化することが不可欠だ」と述べました。

王毅政治局委員は「ASEANと3か国の協力は東アジアの繁栄と発展に積極的に貢献してきた。国際情勢が加速度的に変化する中、東アジアの未来はチャンスと課題の両方がある」と述べて、各国の協力を呼びかけました。

会議の詳しい内容は明らかにされていませんが、ウクライナ情勢を受けて緊急時のサプライチェーンの確保など、食料安全保障の連携や、各国が戦略的な地域と位置づけるインド太平洋地域での違法漁業対策など、海洋協力についても議論したものとみられます。

また、東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めて海に放出する計画をめぐり、中国側が反対の姿勢を示していますが、王毅政治局委員が言及したかどうかは明らかになっていません。

林外相「海洋での権益主張や活動は条約に基づき行われるべき」

これに先立ち、日本とASEANとの外相会議が日本時間の午後3時すぎから、およそ1時間にわたって行われました。

この中で林外務大臣は東シナ海や南シナ海での海洋進出を強める中国を念頭に、海洋での権益の主張や活動は国連海洋法条約に基づいて行われるべきだと主張しました。

さらに、ルールに基づく自由で公正な経済秩序の維持や強化も重要だとして、経済的な威圧に強い反対を表明しました。

そして、北朝鮮が12日にICBM級の弾道ミサイルを発射したことについて、国際社会の平和と安全を脅かすとして強く非難するとともに、拉致問題の解決に向け理解と協力を求めました。

さらに、ロシアによるウクライナ侵攻も厳しく非難しました。

また、日本とASEANの友好協力関係がことし50年の節目を迎えたことから、12月に東京で開かれる特別首脳会議に向けて緊密に連携していくことを確認しました。