北朝鮮のミサイル “新型の固体燃料式”か 防衛省 分析進める

12日、北朝鮮から発射されたICBM=大陸間弾道ミサイル級のミサイルについて、防衛省は、事前に発射の兆候をとらえることが難しい新型の固体燃料式だった可能性も含めて分析を進めています。

防衛省によりますと、12日午前、北朝鮮からICBM級の弾道ミサイル1発が発射され、北海道の奥尻島の西およそ250キロの日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定されています。

ミサイルは、飛行距離がおよそ1000キロ、最高高度はおよそ6000キロを超えると推定され、飛行時間は74分と北朝鮮がこれまでに発射した弾道ミサイルの中で最長でした。

弾頭の重さなどによっては、射程距離は1万5000キロを超え、アメリカ全土が含まれる可能性があるとしています。

北朝鮮がICBM級の弾道ミサイルを発射したのはことし4月13日以来で、このときの発射について北朝鮮は、液体燃料式と比べると事前に発射の兆候をとらえることが難しい固体燃料式の新型ICBM「火星18型」の初めての発射実験だったと発表しています。

防衛省は12日の発射について、飛行距離や高度などから新型の固体燃料式だった可能性も含めて、詳しい分析を進めています。

防衛省 映像公開 “弾頭部分などが落下か”

防衛省は、北朝鮮の弾道ミサイルが落下したと推定される12日午前11時13分ごろ、航空自衛隊の戦闘機が北海道の西の日本海上空で撮影した映像を公開しました。映像には、筋状に縦に伸びた白い煙のような線が2本、捉えられています。

防衛省によりますと、弾道ミサイルの弾頭部分などが落下した際に生じた可能性があるということです。

航空自衛隊 米軍と共同訓練

防衛省は、航空自衛隊とアメリカ軍の戦闘機などが12日、九州西方の東シナ海の上空で共同訓練を行ったと発表しました。

共同訓練を行ったのは
▽航空自衛隊のF2戦闘機4機と
▽アメリカ空軍のF15戦闘機2機などで、日米の戦闘機が編隊を組んで飛行している映像も公開しました。

防衛省は共同訓練について「北朝鮮がICBM級の弾道ミサイルを発射するなど、日本を取り巻く安全保障環境がより一層厳しさを増す中、日米同盟の抑止力と対処力を一層強化した」などとしています。