猛烈に暑い!きょうは何度まで?世界平均気温 6月は過去最高に

「立っているだけでも、汗が出てくる」

きょう11日は全国の57の観測点で猛暑日となりました。

そして、暑いのはどうやら日本だけでもないようです。

この危険な暑さ。乗り切るためにはどうしたら…?

記念の航空写真を撮影していたら…

「子どもが気分の悪さや体のだるさを訴えている」

午前10時半すぎ、岐阜県各務原市の川島小学校から通報がありました。

市の教育委員会や学校によりますと、学校では午前9時半ごろから児童およそ730人が、校庭に出て学校の創立150周年を祝う記念の航空写真を撮影していましたが、およそ50人が気分の悪さや体のだるさなどを訴えたということです。

消防がこのうち19人を熱中症の疑いで病院に搬送しましたが、全員、意識はあり重症の児童はいないということです。市の教育委員会によりますと、熱中症対策のガイドラインに基づいて児童には帽子をかぶらせ、水筒を持たせていたということです。

小学1年生の男子児童は「撮影中は暑かった」と話していました。各務原市に近い岐阜市では午前10時半の時点で、気温が30.7度となっていました。

熱中症 各地で搬送

東京消防庁によりますと、都内では午後3時までに10代から90代の男女あわせて52人が熱中症の疑いで救急搬送されました。このうち、13人が中等症、39人が軽症だということです。

埼玉県によりますと、11日午後4時の時点で、あわせて72人が熱中症の疑いで救急搬送されました。このうち、重症が3人、中等症が21人、軽症が48人となっています。また、65歳以上の高齢者は45人で、全体の6割以上を占めています。

最も暑い場所で食べるアイス

山梨県甲州市勝沼では、午後3時すぎに最高気温が38度に達する危険な暑さとなりました。

首にタオルをかけて歩く子どもやアイスクリームを食べる人の姿が見られました。

男性は「暑いです。すぐにとけてしまいます」と話していました。

「ずっとサウナに入っている気分」

群馬県桐生市では2日続けて最高気温が37度を超えました。JR桐生駅前では、手持ちの扇風機の風を顔に当てたり、日傘をさしたりして、暑さを和らげようとする人の姿が多く見られました。

男子高校生は「めちゃくちゃ暑くてずっとサウナに入っている気分です。さらに暑くなっていくと思うと、怖いです」と話していました。

取材している記者も…

全国で3番目の37.1度まで気温が上がった山梨県甲府市。

JR甲府駅前で取材をしたNHK甲府放送局の関口紘亮記者は「立っているだけでも汗が出てくる」と話していました。

きょうは何度まで上がった?

気象庁によりますと、関東を中心に晴れて気温が上がり、日中の最高気温は
▽山梨県甲州市勝沼で38.0度を観測したほか
▽群馬県桐生市で37.1度、
▽埼玉県鳩山町で37.0度
▽静岡市で36.9度、
▽宮崎市で35.9度、
▽東京都練馬区で35.7度、
▽宇都宮市で35.3度、
▽京都市で35度ちょうどなど、
全国の57の観測点で猛暑日となりました。

また、半数以上の観測点で30度以上の真夏日となり、福岡県久留米市で33.2度、佐賀県唐津市で32.8度など記録的な大雨となった九州北部の被災地でも厳しい暑さとなりました。

世界平均気温 6月としては観測史上最高

連日のように続く暑さ。先月の世界の平均気温は6月としては観測史上、最も高くなったことが、WMO=世界気象機関などのまとめで分かりました。

それによりますと、世界の先月6月の平均気温は、1991年から2020年の平均をおよそ0.5度上回り、6月としては観測史上、最も高くなりました。

WMOは、こうした記録的な暑さは、エルニーニョ現象の発生と同じ時期に観測されたとした上で、今後さらに気温が上昇するおそれがあると懸念を示しています。

海面の平均水温も高くなっていて、WMOは異常気象が発生する可能性が高まっていると警鐘を鳴らしています。

ウェアラブル端末と蓄冷剤使った実証実験

学校の部活動での熱中症対策が求められる中、東京都内の中学校でウェアラブル端末を活用する実証実験が始まりました。

これは、東京 三鷹市にある4つの中学校で11日から行われ、陸上競技部などの部員、およそ400人が参加します。

体の深部の体温の上昇を検知するウェアラブル端末を生徒一人一人が装着し、熱中症の危険が高まるとアラームが鳴る仕組みです。

さらに、運動前に蓄冷材を握って手のひらの血管を冷やすことでどの程度の効果があるかデータの収集を行います。

この蓄冷材は大手電機メーカーのシャープが液晶の材料研究の技術を応用して開発したもので、血管を効果的に冷やす摂氏10度の温度を保つのが特徴です。実証実験はおよそ2か月間かけて行われます。

参加した陸上競技部の生徒は「アラームで知らせてくれるので気が楽でした」とか「突然倒れたりすると危ないし怖いなと思うので防げるのであればいいなと思います」と話していました。

三鷹市立第二中学校の青木睦校長は「この取り組みを通して、子どもたちの熱中症予防にぜひ生かしていきたい。体育館や教室の冷房などの活用もさらに進めていきたい」と話していました。

明日も各地にアラート

あす12日も関東を中心に、各地で猛烈な暑さが続く見込みで、日中の最高気温は、
▽さいたま市や前橋市で37度、
▽東京の都心や静岡市、甲府市、水戸市で36度、
▽宇都宮市で35度などと
予想されています。

気象庁と環境省は、熱中症の危険性が高まるとして、以下の地域に「熱中症警戒アラート」を発表しました。

福島県、東京都、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、徳島県、鹿児島県(奄美地方除く)、鹿児島県奄美地方、沖縄県沖縄本島地方、沖縄県八重山地方

対策は?

対策はどうすればよいのでしょうか。日本救急医学会の横堀將司理事に聞きました。

横堀理事によりますと、汗をかきやすくなるなど体が暑さに慣れるまでは通常、1週間から2週間ほどかかるということで、梅雨明け前のこの時期は熱中症で搬送される患者が増加する傾向にあるといいます。

そのうえで、この時期から必要な熱中症対策として、エアコンを使うなど室内の温度をこまめに確認することや、こまめな水分補給、屋外での活動を控えるなど暑さを避けるように心がけてほしいと呼びかけています。

また、朝方や夕方の涼しい時間帯に運動して体力をつけることや、適度に塩分が含まれた食べ物を摂取することも大切だとしています。

「熱中症弱者」とされる人には周りの人が注意を

さらに、高齢者や乳幼児、高血圧などの既往症がある人は「熱中症弱者」とされ、熱中症にかかりやすく、重症化しやすい傾向にあるということで、こまめに連絡を取るなど周囲の人が注意してほしいと呼びかけています。

横堀理事は「体が暑さに慣れきってなく、気温が高くなってきた今だからこそ、体調管理の重要性も増しています。熱中症は予防できる病気なので、天気予報やニュースを確認し、体調管理や暑さを避ける努力をしてほしいです」と話していました。

エアコンを使って!ただし「風向き」は「水平」に

厳しい暑さが続き、熱帯夜となる日も少なくない中、大手空調メーカーは、睡眠時の熱中症を防ぐため寝る前にエアコンを適切な設定にするよう呼びかけています。

部屋の広さや人数などによって条件は異なりますが、一般的には、室温を28度程度に保つのを勧めていて、そのためにはエアコンの設定温度を28度より数度低く設定してほしいということです。

そして、室温は、体温や外気で変化しやすいことから、寝るときから起きるときまで、つけっぱなしにすることを勧めています。

気をつけなくてはいけないのは風向きで、冷たい空気が直接、体に当たってしまうと、体調を崩したり、起きた時にだるくなったりするおそれがあるため、風向きは水平に設定してほしいということです。

また、エアコンの反対側の床にサーキュレーターや空気清浄機などを置くと、室内の空気が循環して室温が一定に保たれ、体の周りの空気が冷えすぎるのを防ぐのに効果的だということです。

ダイキン工業の広報担当の重政周之さんは「予想気温や体調に応じてエアコンを調整して快適に眠ってほしいです」と話していました。