米FRB 3銀行破綻で金融機関の“最も厳しい規制”の対象拡大へ

アメリカで銀行破綻が相次いだことを受けて中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会で銀行監督を担当するバー副議長は10日、最も厳しい規制の対象を総資産が1000億ドル以上の金融機関に拡大する方針を明らかにしました。

アメリカでことし3月から5月にかけて相次いで破綻した3つの銀行は、いずれも最も厳しい規制や審査の対象になっていませんでした。

これを受けてFRBは銀行監督や規制の見直しを進めていて、バー副議長が10日に行った講演でその方針を明らかにしました。

具体的には総資産が7000億ドル以上の規模の金融機関などを対象にしている最も厳しい規制を1000億ドル以上の規模に拡大します。

そして国債などの有価証券の含み損を計上させることを義務づけ、含み損を抱えていても十分な自己資本を確保できるよう求めます。

破綻した3つの銀行のうち「シリコンバレーバンク」は、多額の含み損を抱えていたことが明らかになり、大規模な預金の取り付けが起きた経緯があります。

バー副議長は含み損の計上が当時、義務づけられていれば取り付けにつながる可能性は低かったという認識を示しました。

また、この規模の銀行でも、破綻すればほかの銀行に影響が波及し、金融の安定を脅かすリスクがあることが明らかになったとしたうえで、銀行経営への影響を踏まえ適切な移行期間を設けて規制強化策を導入する方針を示しました。