高濃度ヒ素の蒸気噴出 2回目の住民説明会「最短来月止めたい」

北海道蘭越町の掘削現場で地中から蒸気が噴出し、高い濃度のヒ素などが検出された問題で、掘削を行っていた会社が10日夜に2回目の住民説明会を開き、蒸気の噴出を抑えるための今後の具体的な方針を示しました。

北海道蘭越町湯里の山中にある地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場では、先月29日以降、蒸気が噴出し、周辺から非常に高い濃度のヒ素が検出されるなど、大きな影響が出ています。

掘削を行っていた「三井石油開発」は10日夜に2回目の住民説明会を開き、地域の住民などおよそ80人が参加しました。

説明会で会社は、掘削している坑道に水を注入して噴出口を冷やし、蒸気を抑えながら、その上に鉄でふたをすることで最短で来月下旬までに噴出を止めたいと具体的な方針を示しました。

また、1日に噴出されているおよそ2000キロリットルの蒸気に由来する水については、2000メートルほどの地下深くに戻すためパイプをつなぐことや、健康や農作物などの被害の補償を個別に対応していくことなども説明しました。

住民からは、「風評被害の被害額をどう証明し、どこまで補償してもらえるのか」などといった不安や不満の声が相次いでいました。

三井石油開発の原田英典社長は「皆様の不安な気持ちをしっかりと受け止め、今後より納得してもらえるよう丁寧に対応にあたりたい」と話していました。