インドネシア 残留日本兵の資料館オープン 歴史語り継ぐ拠点に

太平洋戦争のあともインドネシアにとどまって、オランダからの独立戦争に加わった、いわゆる「残留日本兵」の資料館が現地にオープンし、歴史を語り継ぐ拠点になると期待されています。

インドネシアの首都ジャカルタで10日、残留日本兵の資料館の本格オープンを記念した式典が行われました。

元兵士や、その子孫などによる「福祉友の会」が寄付金などで整備したもので、10日はおよそ60人が出席しました。

太平洋戦争のあともインドネシアにとどまり、オランダからの独立戦争に加わった残留日本兵はおよそ1000人に上るとされ、最後の1人は2014年に亡くなりました。

資料館には、このうちおよそ60人の顔写真が並んでいるほか、両国政府から授与された勲章や手作りの証言録なども展示されています。

これまで「福祉友の会」の中心を担ってきたのは日系2世ですが、高齢化が進んでいるということです。

東京都出身の残留日本兵、中川義郎さんを祖父に持つ日系3世のアリトモ・ドゥイ・ラクソノさんは「祖父たちはインドネシアの独立のために戦ったのだということを伝えていきたい」と話し、資料館が歴史を語り継ぐ拠点になることに期待を示しました。