KDDI 通信回線の復旧をAIで自動化 今年度中にシステム導入へ

KDDIは、去年7月の大規模な通信障害を教訓に、AI=人工知能を活用して通信回線の復旧を自動化するシステムを今年度中に導入することを明らかにしました。

去年7月のKDDIの通信障害は全国で2日半以上にわたり、延べ3091万人以上の利用者に影響が出たことから、総務省は会社に対し、再発防止を指示する行政指導を行っています。

会社は10日、ネットワークの監視などにあたる東京 多摩市の施設を報道陣に公開し、再発防止に向けた対策について説明しました。

対策の一環として、AI=人工知能を活用して通信回線の復旧を自動化するシステムを導入する計画を進めてきましたが、その時期について、会社は今年度中に導入することを明らかにしました。

去年の大規模障害の際は、故障した機器から別の機器に切り替えるなどの復旧作業の遅れが、影響が長引く一因とされ、会社は、これまで人が行っていた作業を、ほぼ自動化することで復旧までの時間を短縮できるとしています。

ネットワーク監視センターの肥田公任センター長は「トラブルが起きた際にも、AIの技術でより早く自動復旧できるようにしていきたい」と話していました。

KDDIの大規模障害をきっかけに、携帯電話各社の間では「ローミング」と呼ばれる通信網の貸し借りの導入に向けた検討が進んでいますが、その一方で、各社の対策のさらなる強化も急がれています。