半導体の製造に必要な水確保へ 新たな補助金支給制度 経産省

国内で半導体の生産拠点を整備する動きが広がる一方、製造に欠かせない水の確保が課題となることから、経済産業省は工業用水の利用に必要な設備の建設に補助金を支給する新たな制度を設ける方針を固めました。

政府が半導体のサプライチェーン=供給網の強化に向けて、生産拠点の誘致を進める中、国内各地で半導体に関連した生産拠点の新設や増強の動きが出ています。

一方で、半導体は洗浄などの工程で大量の水を使用するため、工業用水の確保が課題になっています。

このうち、台湾のTSMCがソニーグループなどと共同で熊本県に建設する工場では地下水を利用する予定です。

第2工場の建設も検討される中、地域住民の間では、地下水への影響も懸念されていて熊本県は、工業用水の利用に必要な設備の建設を検討しています。

こうしたことから経済産業省は生産拠点の誘致とあわせて、インフラの整備も重要だとして、工業用水の利用に必要な浄水場や送水管といった設備の建設に対し、補助金を支給する新たな制度を設ける方針を固めました。

今後、民間企業に運営を委託して経営の効率化を図る事業者を支援するなど、具体的な制度の検討を進めます。

新規建設への補助金は工場の海外移転などの影響で需要が減少傾向にあったため、7年前の平成28年度以降は停止されていましたが、半導体を中心に生産拠点の国内回帰が進む中、新たな制度へと転換することになります。