訪中の米財務長官「関係を確かにする一歩になった」成果を強調

中国を訪れているアメリカのイエレン財務長官は帰国を前に、9日北京で記者会見を開き、「両国には大きな意見の違いがある」と述べたうえで、「一連の会談は米中関係を確かなものにする取り組みの一歩になった」と成果を強調しました。

アメリカのイエレン財務長官は7月6日から中国の首都北京を訪れ
▽共産党の序列2位の李強首相や
▽アメリカとの経済・貿易分野の交渉を担当する何立峰副首相などと相次いで会談しました。

イエレン長官は帰国を前に8日午前、北京で記者会見を開き「両国には大きな意見の違いがある。中国側には外国企業が中国の市場にアクセスする際の障壁など、われわれの深刻な懸念を伝えた」と述べました。

そのうえで、「2日間で合わせておよそ10時間にも及んだ一連の会談は、米中関係を確かなものにする取り組みの一歩になった」と成果を強調しました。

米中関係をめぐっては、アメリカ政府が軍事転用のおそれがある半導体製品などの輸出規制を強める一方、中国政府も半導体の材料などに使われる2つの希少金属を輸出管理の対象とすることを発表するなど、アメリカをけん制しています。

一連の会談でアメリカと中国は対話の継続を確認しましたが、半導体や関税など対立が続く分野で両国が歩み寄ることは容易ではなく、今後、具体的な交渉が進むかが焦点となります。