ラグビー日本代表 4年ぶりノートライ 敗因は?データを分析

ラグビーワールドカップに向けて強化をはかる日本は、8日、All Blacks XVとの強化試合に臨み、6対38で敗れました。代表が関わった試合では2019年ワールドカップ日本大会の南アフリカ戦以来、4年ぶりにノートライの敗戦を喫しました。

試合をデータで振り返ります。

データ分析会社の速報値によりますと、ノートライに終わった要因として攻撃面の差が顕著だったことが明らかになっています。

例えばそれぞれのチームごとに試合に出場した選手のデータをみると、「ボールを持って進んだ距離」は、All Blacks XVが627メートルで、JAPAN XVが317メートルとほぼ半分でした。

また「相手と接触してから前に進んだ距離」を比較すると、All Blacks XVが345メートルで、JAPAN XVは125メートルと大きな差がありました。

「ディフェンスを突破した回数」は、All Blacks XVが30回で、JAPAN XVは12回となっています。

日本は相手ディフェンスの圧力を受けて得意の速いテンポからの展開ラグビーに持ち込めず、要所でノックオンなどのミスも目立ちました。

試合のあと、フルバックで出場した松島幸太朗選手は「レベルの高い試合でポロポロとボールを落としてしまうとリズムに乗れない。アタックを継続できなかった」と振り返りました。

ジェイミー・ジョセフヘッドコーチも「残念なことはボールを奪ったあとに相手に再びボールを渡してしまった部分だ。修正しなければならない」と厳しい口調で話しました。

この試合はコンビネーションを試すという意味で経験の浅い選手も起用したため、首脳陣にとって多少のミスは織り込み済みだったとみられますが、日本代表としてAll Blacks XVと対戦する来週の試合は、攻撃のミスをどれだけなくせるかが試されます。

試合では収穫も

収穫の1つがテストマッチの出場経験がないフランカーの福井翔大選手の活躍です。

激しいコンタクトプレーでボールを奪いにいく「ジャッカル」を成功させるなど世界レベルの試合で通用することをみずから証明しました。

ジョセフヘッドコーチは試合後の会見で「福井選手はすごくよかった」と名前を出して活躍をたたえ、新戦力の台頭を喜んでいました。