北海道 蘭越町の蒸気噴出 掘削行っていた会社が会見し陳謝

北海道蘭越町の掘削現場で地中から蒸気が噴出し、高い濃度のヒ素などが検出された問題で、掘削を行っていた会社が8日会見し、陳謝するとともに今後、蒸気の噴出を抑える対策を急ぐ考えを明らかにしました。

北海道蘭越町湯里の山中にある地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場では、先月29日以降、蒸気が数十メートルの高さまで噴出し、周辺で有毒なヒ素や硫化水素が検出されたことがわかっています。

現場で採取した水からは国が定める飲料水の基準の1590倍にあたる非常に高い濃度のヒ素が検出され、近くの川では飲料用の取水には適さなくなっています。

この問題を受けて、掘削を行っていた東京 千代田区に本社がある「三井石油開発」の原田英典社長が8日、蘭越町内で初めて会見し「町民や関係者に多大なご心配とご迷惑をおかけし心よりおわびします」と陳謝しました。

また、これまでに町民ら4人が体調不良を訴えていることを明らかにした上で「蒸気との因果関係が確認できれば適切に補償を行いたい」と述べました。

会社側は、蒸気に由来する水を敷地外に放出していましたが、8日までに道から放出しないよう行政指導を受けたということで、今後は、過去に掘った別の井戸に移す計画だとしています。

蒸気は地下200メートルほどの浅い層から噴出していて、詳しい原因はわかっておらず、10日目となる今も噴出の勢いは収まっていないということです。

これについて会社側は、今後、噴出口にふたのようなものをかぶせて蒸気の噴出を抑える考えを示しました。

会見で原田社長は「ヒ素を含んだ水や蒸気の噴出の抑制に全力を注ぎ、周辺住民の要望に誠意を持って対応していきたい」と話しました。