香港政府トップ“日本からの海産物や農産物の輸入禁止を検討”

香港政府トップの李家超 行政長官は、東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めて海に放出する計画をめぐり、日本からの海産物や農産物の輸入禁止を検討していると述べ、日本を強くけん制しました。

李家超行政長官は7日、福島第一原発にたまる処理水を、基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画をめぐり「リスクが高い地域からの海産物や農産物の輸入禁止を検討している」と訪問先の中国内陸部の貴州省で述べました。

そのうえで「ほかの地域から輸入される食品も監視を強化し、食物の安全を確保する」と述べ、日本を強くけん制しました。

香港政府は福島第一原発の事故のあと、福島県産の野菜や果物などの輸入を停止していて、処理水が放出された場合、規制をさらに強化する可能性を示唆した形です。

日本から香港への農林水産物の輸出額は、去年、中国に次いで2番目に多い2086億円にのぼっていて、日本にとって主要な輸出先となっています。

日本から食品を輸入・販売する企業や、日本の食材を利用している飲食店も多く、風評被害を懸念する声も上がっています。

ロシア衛生当局 輸入水産物などの検疫や流通管理を強化

東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めて海に放出する計画について、ロシアの衛生当局は7日、声明を発表し、放出が「放射性物質による水質汚染につながる可能性がある」と主張しました。

その上で、放射性物質を多く含む水産物がロシア国内に流通するのを防ぐためとして、日本産の水産物や加工品について「輸入する際の検疫や、流通の管理を強化するよう各地の機関に指示した」としています。

ロシアはこれまでも放出計画に対する懸念を示していました。