安倍元首相銃撃事件1年 山上被告の初公判は来年以降の見通し

安倍元総理大臣が奈良市で演説中に銃撃された事件から8日で1年です。殺人などの罪で起訴された山上徹也被告の裁判は、争点を絞り込む手続きがまだ始まっておらず、初公判は来年以降となる見通しです。

去年7月8日、奈良市の大和西大寺駅前で参議院選挙の応援演説をしていた安倍元総理大臣が銃撃されて死亡した事件では、無職の山上徹也被告(42)が殺人や銃刀法違反などの罪で起訴されています。

事件現場には、その後、奈良市の整備事業で花壇や人工芝の広場が設けられていて、8日は付近に自民党の有志らで作る団体が献花台を設けることにしています。

団体は不審物への対策として、花以外のものは供えないよう協力を呼びかけています。

捜査関係者によりますと、山上被告は捜査段階の調べに対し、母親が多額の献金をしていた「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会に恨みを募らせた末、事件を起こしたなどと供述したということです。

元総理を狙った理由については「政治信条への恨みではなく、教団と近しい関係にあると思った」などと供述したということです。

一方、被告の弁護団は、事件の動機などについては裁判に影響が出るとして明らかにしていません。

事件は裁判員裁判で審理される予定ですが、争点を絞り込む公判前整理手続きがまだ始まっておらず、弁護団によりますと、初公判は来年以降になる見通しです。

朝早くから花を手向ける人が

安倍元総理大臣が銃撃され死亡してから1年となる8日、奈良市にある大和西大寺駅前の現場近くには午前6時ごろから次々に人が訪れ、花を手向けたり静かに手を合わせたりしていました。