米 6月の雇用統計 前月比20万9000人増 市場予想わずかに下回る

アメリカの6月の雇用統計が発表され、農業分野以外の就業者は前の月より20万人余り増加し、市場予想をわずかに下回りました。一方、賃金の上昇は続いていて、中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会の政策判断への影響が注目されます。

アメリカ労働省が7日に発表した6月の雇用統計によりますと、農業分野以外の就業者は前の月より20万9000人増加し、市場予想をわずかに下回りました。

一方、失業率は前の月より0.1ポイント低下して3.6%となりました。

また、労働者の平均時給は前の年の同じ月と比べて4.4%、前の月と比べて0.4%、それぞれ増加しました。

平均時給の伸び率については、いずれも市場予想を上回り賃金の上昇が依然として続いていることが示された形です。

アメリカでは、長引く人手不足を受けて、賃上げを行う企業の間で人件費の上昇分を物価に転嫁する動きが続いていることがインフレの要因になっていると指摘されています。

市場では、FRBが7月下旬に開く金融政策を決める会合で、利上げを再開するか、先月に続いて見送るか見方が分かれていて、FRBの政策判断が注目されます。

円相場 一時142円台半ばまで値上がり

7日のニューヨーク外国為替市場では、アメリカの6月の雇用統計を受けて円相場が一時、1ドル=142円台半ばまで値上がりしました。

先月の雇用統計で就業者数の伸びが市場予想を下回ったことから、インフレの収束に時間がかかって金融引き締めが長期化することへの懸念が和らぎ、ドルを売ってこれまで売られていた円を買い戻す動きが出ました。

市場関係者は「このところ円安が急速に進んでいたこともあり、いったん円が買い戻される動きにつながった。一方、先月の雇用統計で労働者の平均時給の伸び率が市場予想を上回ったことでインフレが長引くことを警戒する投資家もいて、円安に歯止めがかかるかは見通せない状況となっている」と話しています。