センバツ高校野球「21世紀枠」3校→2校に 一般選考枠を1校増へ

甲子園球場で開かれる春のセンバツ高校野球について、高野連=日本高校野球連盟などは、困難な状況を克服し好成績を残した学校などが対象となる「21世紀枠」を来年から1校減らして2校とすることを決めました。一方で、地区大会の成績などを参考にする「一般選考」の出場枠は1校増えることになりました。

高野連などは7日、大阪市でセンバツの運営委員会を開き、来年の大会も出場校の数を32校とすることを確認したうえで、出場枠について議論しました。

この中で、困難な状況を克服し好成績を残した学校などが対象となる「21世紀枠」について、これまでの3校から1校減らして、2校とすることを決めました。

2校は、全国の9つの地区から地域を限定せずに選ぶということです。

「21世紀枠」が2校となるのは、2007年の大会以来です。

一方、前年秋に行われる地区大会の成績などを参考にする「一般選考」は、これまでより1校増えて、29校となります。

これにあわせて、各地区ごとの出場枠も見直され、東北が1校増えて3校に、東海も1校増えて3校、これまで中国・四国を合わせて5校だった枠は、中国が2校、四国が2校となり1枠減ることになりました。

また、明治神宮大会で優勝した学校のある地区に与えられる「神宮大会枠」については、これまでどおり1校出場することも決まりました。

高野連などは「21世紀枠は、あと1歩で甲子園に届かないチームの目標になって、役割を果たしてきたと自負している。その一方で、神宮大会枠と合わせて4校は多いという意見があった」としています。

高野連などは、今後の大会の出場枠については、おおむね5年をめどに見直しをするとしています。

21世紀枠とは

21世紀枠は、甲子園と縁がなかった学校が出場できる機会を増やし、高校野球界の活性化を図ることを目的に、2001年に設けられ、2007年までは2校が選ばれました。

80回の記念大会となった2008年は、21世紀枠が初めて3校に増え、2009年からはさまざまな特色がある出場校が顔をそろえるセンバツの特徴をより生かすため、3校の出場枠が定着しました。

出場校が3校になってからは、全国の9地区の候補校のうち、東日本から1校、西日本から1校、そして地域を限定せずに1校を選ぶ形式がとられてきました。

また、85回の記念大会となった2013年と、新型コロナウイルスの影響で前年秋の明治神宮大会が中止となり、大会の優勝校の地区に与えられる「神宮大会枠」がなくなった2021年の大会はさらに1校多い4校が出場しました。

21世紀枠が2校となるのは、2007年の大会以来となります。

一般選考の出場枠 20年ぶりに見直し

高野連などでは「21世紀枠」を減らしたうえで、前年秋に行われる地区大会の成績などを参考にする「一般選考」についても、地区ごとの都道府県の数や加盟校数、部員数などを踏まえ、地区ごとの出場枠を20年ぶりに見直しました。

来年からの地区ごとの出場枠です。

▽北海道は、これまでどおり1校。
▽東北は、1つ増えて3校。2県当たり1枠を割り当てるとする原則を踏まえ、1つ増えました。
▽関東・東京は、これまでどおり6校で、関東で4校、東京で1校を選んだうえで、あと1校を選びます。
▽東海は、1つ増えて3校。前回、出場枠が見直される前の2003年の大会の数に戻りました。
▽北信越は、これまでどおり2校。
▽近畿は、これまでどおり6校。
▽中国と四国は、これまで合わせて5校でしたが、中国が2校、四国が2校となり、1枠減ることになりました。
▽九州は、これまでどおり4校となりました。