「協会けんぽ」決算 4300億円余の黒字 賃金伸びたことなどから

中小企業の従業員などが加入する医療保険「協会けんぽ」の昨年度・令和4年度の決算は、被保険者の賃金が伸び、保険料収入が増えたことなどから4300億円余りの黒字となりました。ただ、後期高齢者医療制度への支援金の拠出が今後増加する見通しで、財政状況は楽観できないとしています。

中小企業の従業員や家族などおよそ4000万人が加入する「協会けんぽ」を運営する全国健康保険協会は、昨年度の決算を発表しました。

それによりますと、収入は前の年度より1813億円増えて11兆3093億円でした。

コロナ禍から経済が回復する中、被保険者の月給の伸び率が2008年の運営開始以降、最も高い2%となり、それに伴って保険料収入が増えたためとしています。ただ収入の内、1兆2500億円程度は国からの補助となっています。一方、支出は10兆8774億円で前の年度より486億円増えました。

保険給付費は前の年度より増加したものの、令和2年度分の後期高齢者医療制度への支援金がコロナによる受診控えで一部返還されたため、全体の支出は抑えられたということです。この結果、4319億円の黒字となりました。黒字は13年連続です。

全国健康保険協会は「高齢化の進展で、後期高齢者医療制度への支援金の拠出が今後増加する見通しで、財政状況は楽観できない」としています。