「ゲーム開発めぐるインサイダー取引」スクエニ元社員有罪判決

大手ゲーム会社 スクウェア・エニックスのゲーム開発をめぐるインサイダー取引事件で、金融商品取引法違反の罪に問われたゲームクリエーターに対し、東京地方裁判所は「株式市場の公正性や投資家の信頼を損なう犯行で悪質だ」と指摘して執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。

大手ゲーム会社 スクウェア・エニックスの元社員で、ゲームクリエーターの中裕司被告(57)は、東京や名古屋の会社が自社とともに『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』の関連作品となる、携帯電話向けゲームの共同開発を進めているという公表前の内部情報をもとに、これらの会社の株を不正に買い付けたとして金融商品取引法違反の罪に問われました。

7日の判決で、東京地方裁判所の蛭田円香裁判官は「世界的に有名なゲーム開発者の1人として知られていた被告は、ゲーム開発で重要な役割を果たすことを期待されて与えられていた権限を利用して情報を閲覧し、株を買い付けた」と指摘しました。

そのうえで「株式市場の公正性や投資家の信頼を損なう犯行で悪質だ」として、懲役2年6か月、執行猶予4年、罰金200万円と追徴金1億7100万円余りを言い渡しました。

この事件では、同じ情報をもとに株を買い付けたなどとして、金融商品取引法違反の罪に問われた別の元社員も、執行猶予のついた有罪判決が確定しています。