デジタル庁立ち入り検査へ 公金口座ミスで 個人情報保護委員会

マイナンバーの公金受取口座に別の人の口座が登録されるミスが確認された問題で、政府の第三者機関である個人情報保護委員会は、デジタル庁がリスク管理や対策を講じていなかったとして、事実関係を詳しく把握するため、近く立ち入り検査を実施する方針です。

マイナンバーとひも付けることで、国の給付金などを受け取れる公金受取口座をめぐっては、家族ではない別の人の口座が登録されるミスが、今月4日時点で940件確認されています。

一連のミスは、住民の手続きを支援する自治体の窓口で起きましたが、政府の第三者機関である個人情報保護委員会は、デジタル庁が自治体に対して正確なシステムの操作手順を徹底せず、リスク管理や対策を講じていなかったとして、事実関係を詳しく把握するため、近く立ち入り検査を実施する方針です。

マイナンバーカードをめぐる問題の総点検の中間報告が行われる来月上旬までには実施する方向で調整を進めていて、検査結果を踏まえ行政指導を行うことも視野に対応を検討する考えです。

個人情報保護委員会は、平成28年に設置された政府の第三者機関で、消費者問題やITに詳しい有識者らで構成され、独立性の高い立場で、行政機関や事業者が個人情報を適切に管理しているかどうかを監視・監督する業務を担っています。

河野デジタル相「立ち入り検査 適切に対応」

河野デジタル大臣は閣議のあとの記者会見で、マイナンバーの公金受取口座に別の人の口座が登録されるミスが確認された問題で、政府の第三者機関である個人情報保護委員会が近く、デジタル庁に立ち入り検査を実施する方針について「現時点で何か決まっていることはないが、デジタル庁としては、個人情報保護委員会の求めに応じて適切に対応してまいります」と述べました。

松本総務相 “調査や報告の求めあればしっかり答える”

松本総務大臣は閣議のあとの記者会見で「政府に対して、調査や報告の求めがあるのであればしっかりと答えさせてもらう。その上で、個人情報保護委員会の対応や、政府の説明を通して、国民の皆さまに納得してもらえるようにしっかりとやっていきたい」と述べました。

松野官房長官「丁寧な対応 強力に推進」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「今後、独立した専門的見地から個人情報保護委員会で判断されるものと認識している。一連の事案を重く受け止め、政府一丸となって総点検、再発防止、国民の不安払拭(ふっしょく)のための丁寧な対応を強力に推進していく」と述べました。

公明 山口代表 “しっかり検査を 信頼性など確保に期待”

公明党の山口代表は記者団に対し「個人情報保護委員会が判断したのであれば、しっかり検査してもらい、信頼性や安全性の確保につながることを期待したい」と述べました。