タコ 人間に似た2段階の睡眠サイクル OISTなどの研究チーム

OIST=沖縄科学技術大学院大学などの研究チームは、タコが人間に似た2段階の睡眠サイクルを持つことが明らかになったと発表しました。脊椎動物以外で2段階の睡眠サイクルが明らかになったのは初めてで、人間が夢を見るのと同じような現象が、タコに起きている可能性もあるということです。

この研究結果は、OISTとアメリカ・ワシントン大学の共同研究チームが科学誌「ネイチャー」で発表し、睡眠中のタコの脳の動きなどを調べたところ、「静的睡眠」と「動的睡眠」の2種類があることが分かったということです。

このうち、
▽「静的睡眠」では人間などの哺乳類が深い睡眠をしているときに、
▽「動的睡眠」では浅い眠りである「レム睡眠」のときに似た脳の動きがタコの脳でも見られたということです。

レム睡眠は急速な眼球の運動を伴う睡眠のことで、人間などの哺乳類は、多くの夢はレム睡眠中に見ると考えられています。

タコは「動的睡眠」の際に、起きている時のように体の模様が変化していて、寝る前に経験したことを寝ている間に再現しているという説も考えられ、人間が夢を見るのと同じような現象が起きている可能性もあるということです。

睡眠に2つの段階があるのはこれまで脊椎動物だけだと考えられていて、脊椎動物以外で2段階の睡眠が分かったのは初めてだということです。

研究チームは「タコの眠りを調べることを通して、人間はなぜ眠るのかなど睡眠に関する疑問の解明につなげていきたい」としています。