韓国 8年間で2200人余の出生届未提出 「消えた赤ちゃん」報道

韓国で、2015年からの8年間に生まれた子どものうち、2200人余りの出生届が提出されていないことが明らかになりました。韓国メディアは「消えた赤ちゃん」などと大きく報道しています。

韓国ではこれまで出生の際に、医療機関から行政への通知が義務化されておらず、親が出生届を出さない場合に、自治体が子どもの存在を把握できずに教育や医療などの対象から外れるケースが指摘されてきました。

こうした中、韓国の行政をチェックする監査院は6月、2015年から2022年までに生まれた子どものうち、2236人の出生届が提出されていないと明らかにしました。

韓国メディアは「消えた赤ちゃん」などと呼び、貧困などで子どもを育てられない親が出生届を出さない例があるなどと大きく報道しています。

韓国警察庁によりますと、5日時点で出生届がない子どものうち600件近くが捜査対象となり、23人の子どもが死亡していたことが確認されたとしていて、報道によると2人の子どもが親に殺害されて冷蔵庫に遺体が保管されていたケースもあったということです。

これを受けて韓国の国会は6月、医療機関が行政に新生児の情報を通知することを義務づける法律を、審議開始からわずか1週間余りで成立させるなど、新生児を確実に把握するための制度改正を急いでいます。