月面基地建設へ JAXA施設で小型ロボット組み合わせた実験

将来の月面基地の建設に向けて、複数の小型ロボットを組み合わせて探査機などの着陸地点を整備する作業を行う実験が神奈川県にあるJAXA=宇宙航空研究開発機構の施設で行われました。

アメリカが進める国際的な月探査プロジェクト「アルテミス計画」では、将来、月面基地を建設する構想がありますが、月面にはくぼ地や傾斜が多く、人や物を運ぶ探査機などが安全に着陸できる場所が限られています。

東京大学などの研究グループは土のうや砂で月面を平らにする整備用の小型ロボットの開発を進めていて、6日、神奈川県相模原市のJAXA宇宙科学研究所にある月面を再現した施設で、ロボットの性能を確認する実験を行いました。

実験に使われたロボットは合わせて5台で、いずれも遠隔で操作します。

実験ではおよそ1時間かけて
▽ブレードで砂を前に運ぶ動作や
▽くぼ地に模擬の土のうを落下させる動作のほか
▽先端についたツメのような部分で砂地に埋もれた物を掘り出す動作などが正しく行えることを確認していました。

研究グループは再来年、改めて同じ施設で実験を行い、一連の整備技術を確立したいとしています。

研究グループの代表で東京大学の永谷圭司特任教授は「着陸機を安全に降ろすうえで、月面を平らにすることは非常に大事なことで、まだまだやることは多いがぜひ実現したいと考えている」と話していました。