高知 四万十で36.7度 ことし最高 熱中症に警戒 あす以降大雨か

6日も西日本から北日本にかけて厳しい暑さとなり、高知県四万十市では最高気温が36.7度とことし最も高くなりました。7日は近畿で最高気温が38度と危険な暑さが予想されるなど熱中症への警戒が必要です。一方、7日から来週月曜日ごろにかけては前線の活動が再び活発になり、西日本や北陸を中心に大雨となるおそれがあり、避難先を確認するなど6日のうちに備えを進めてください。

気象庁によりますと、6日は西日本から北日本の広い範囲で高気圧に覆われ、気温が上がりました。

日中の最高気温は
▽高知県の四万十市西土佐で36.7度とことし全国で最も高くなったほか
▽岩国市の広瀬で36.3度
▽津市で35.8度
▽鳥取市で35.4度
▽大分県日田市で35.3度
▽甲府市で35.2度
▽京都市で35.1度など、西日本を中心に各地で猛暑日となりました。

7日はさらに気温が上がる見込みで、最高気温は
▽兵庫県豊岡市と京都府舞鶴市で38度と危険な暑さが予想されているほか
▽福井市と福島市で37度
▽鳥取市と奈良市で36度
▽岐阜市、前橋市、山形市で35度と、日本海側や山沿いを中心に猛烈な暑さが予想されています。

このほか
▽大阪市と名古屋市が34度
▽東京の都心で33度などと広い範囲で厳しい暑さが続く見込みです。

熱中症の危険性が高まるとして、気象庁と環境省が三重県、和歌山県、沖縄・奄美で「熱中症警戒アラート」を発表しています。

熱中症への警戒が必要で
▽我慢せずに適切に冷房を使用するほか
▽のどが渇いていなくても定期的に水分を補給し
▽暑い時間帯の外出はなるべく避けて特別な場合以外は運動を行わないなど、対策を徹底してください。

あす以降、西日本や北陸中心に大雨のおそれ

一方、7日以降、前線が再び日本付近に停滞し来週10日の月曜日ごろにかけて活動が活発になる見込みで、九州や中国地方など西日本や北陸を中心に大雨になるおそれがあります。

特に8日から9日にかけて九州北部を中心に雨が強まり、局地的に雷を伴って1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあります。

8日夕方までの24時間に降る雨の量は、九州北部と山口県のいずれも多いところで100ミリから200ミリと予想され、さらに今月9日夕方までの24時間には九州北部と山口県のいずれも多いところで200ミリから300ミリの雨が降る見込みで、その後も前線が停滞し雨量が増えるおそれがあります。

九州や山口県では先日の大雨で地盤が緩んでいるほか、川の堤防などが傷んでいるおそれもあり、再び雨が強まると災害の危険度が急激に高まる可能性があります。

前線は8日土曜日には東日本から北日本にのびて広い範囲で雨が降ると予想され、10日にかけては西日本や北陸を中心に東北でもまとまった雨量となる可能性があります。

気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の増水や氾濫に警戒するよう呼びかけています。

雨が降り始める前にハザードマップで地域の災害リスクや避難先を確認するなどの備えを進めるとともに、最新の気象情報に注意してください。

前線の停滞はいつまで?

梅雨前線は7日から10日の来週月曜日ごろにかけて本州付近に停滞し、九州のほか西日本から北日本の日本海側を中心に大雨が続くおそれがあります。
局地的な非常に激しい雨だけでなく、長く降り続いて総雨量が増え、災害の危険性が高まるおそれがあります。

気象庁によりますと、中国大陸にある前線が次第に東へのび、7日以降、本州付近に張り出している「太平洋高気圧」の北に沿うように停滞すると見込まれるということです。

前線は8日土曜日には東日本から東北にのび、広い範囲で雨が降ると予想されています。

この先「大平洋高気圧」の勢力に大きな変化はなく、前線はしばらく日本付近に停滞するとみられています。

10日以降は「大平洋高気圧」の勢力が北寄りにやや広がり、前線は弱まりながら北上すると予想されていますが、前線の位置や雨雲の発達が長い時間にわたって続くかどうかは風向きや地形などさまざまな要因に影響されるため、今後、予想が変わる可能性があるとしています。

気象庁は最新の気象情報を確認し、早めに対策を進めるよう呼びかけています。

毎年のように豪雨災害

梅雨の末期にあたる7月のこの時期は豪雨による災害が毎年のように発生しています。

線状降水帯による猛烈な雨 夜中に災害発生も

この時期は梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んで活動が活発化しやすく、線状降水帯が発生するなどして雨量が急激に増えるおそれがあります。

3年前の令和2年7月豪雨では、夜間に猛烈な雨が相次いで降り熊本県では明け方に球磨川が氾濫して特別養護老人ホームや住宅の浸水や流失が相次ぎました。

6年前、2017年の九州北部豪雨でも福岡県や大分県で猛烈な雨が降り続き、山間部では斜面の崩壊が相次いで川に土砂や木が流れ下り被害が拡大しました。

長雨蓄積型で災害

一方、梅雨末期には雨がそれほど強くなくても長く降り続くことで大きな災害となるケースがたびたび起きていて、こうした雨の降り方は「長雨蓄積型」とも呼ばれます。

2021年7月に静岡市熱海市で発生した土石流では、1時間に30ミリ以上の「激しい雨」は観測されませんでした。

しかし雨は断続的な雨で、総雨量は389ミリと平年7月・1か月分の1.5倍以上に達していました。

また、2018年の西日本豪雨で、土砂災害が相次いで発生した広島県呉市では10ミリ前後の雨が降り続き、時折50ミリ以上の非常に激しい雨が降りました。

ふだん経験するような雨だったため、住民は「危機感を持つことが難しかった」と話しています。

7日から来週にかけて前線が停滞し、西日本を中心に大雨となる見込みです。

地域の災害リスクや避難先へのルートの確認、食料や水の備蓄など必要な備えはきょうのうちに進めてください。

このあとも最新の気象情報や自治体からの避難の情報に注意して、早めの対策を心がけてください。

大雨続くおそれ「ハザードマップ」 どう見ればいい?

「『災害の危険度が高まる』と言われても、身の回りにどんなリスクがあるのか分からない」

そんなときに役立つハザードマップについて見方をまとめました。

あなたの周りにある災害のリスクを知る上で参考になるのが自治体が作る「ハザードマップ」です。

「重ねるハザードマップ」で土砂災害・洪水の危険度をチェック

パソコンやスマートフォンから確認する方法です。

国土交通省が公開している「重ねるハザードマップ」は土砂災害や洪水のリスクがある場所を1つの地図に重ねて表示することができるサイトです。

サイトではまず、知りたい「災害種別」を選択します。

洪水や土砂災害などのアイコンをクリックすると、災害のリスクがある場所が地図上に表示されます。

そして画面上部のスペースに見たい場所を入力し、詳しく確認したい場所をクリックするとその場所の災害リスクが把握できます。

土砂災害の危険性は

土石流発生の危険性がある渓流については都道府県が「土石流危険渓流」に指定しているほか「地すべり」の危険性のある地域は「地すべり危険箇所」それに崖崩れの危険を示す「急傾斜地崩壊危険箇所」がそれぞれ示されることが多く、お住まいの場所のリスクを確認してください。

洪水の危険性は浸水の深さなどの確認を

自宅が浸水すると想定される範囲にある場合は浸水の深さも確認してください。

想定される浸水の深さが3m以上だと平屋は水没、2階にいても浸水します。

また「家屋倒壊等氾濫想定区域」に指定されている範囲では水位が高く流れ出る水の速度も速いため建物ごと流されるおそれがあります。

大雨の際にとどまってもよい場所かどうかあらかじめ確認してください。

ハザードマップで示されない場所でも災害おそれ

一方、まだハザードマップに浸水の想定がのっていない中小河川も多くあり、こうしたところで被害が出る危険性もあります。

地図上にリスクが示されていなくても川の近くや低い場所に住む人は、身の回りの状況や自治体の情報に注意し、より安全な場所に移動することが重要です。

気象庁ホームページでは雨量をもとに解析した「洪水の危険度分布」を確認することができます。

「キキクル」で検索できます。

危険迫る前に確認を

ハザードマップや避難に関する情報はNHKのホームページ「あなたの天気・防災」や「NHKニュース・防災アプリ」でも確認することができます。

川の水位などはウェブサイト「川の防災情報」でも確認することができます。

あらかじめ自分の住まいのリスクを把握することが早めの避難につながります。

危険が迫る前に一度、確認してみてください。