ザポリージャ原発“爆発物” ウクライナとロシアが非難の応酬

ウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所をめぐり、爆発物が設置されたなどとされる問題で、ウクライナとロシア双方が非難の応酬を繰り広げて、不測の事態への警戒が続いています。

ザポリージャ原子力発電所をめぐり、ウクライナ軍の参謀本部は4日、「原発の3号機と4号機の建屋の屋根に爆発物のようなものが設置されたという情報がある」と明らかにし、ゼレンスキー大統領も5日、政権幹部や軍の司令官などを招集し、原発の保護に向けて対応を協議したと明らかにしました。

またウクライナ外務省は5日、SNSで「ロシアは爆発物を設置し、ヨーロッパ最大の原発が原子力事故に脅かされている。世界は直ちに行動を起こす時だ」と訴えました。

これに先だち、ウクライナ国防省の情報機関は、ロシア側が原発から退避する動きがみられ、従業員に対しても5日までに退避するよう通告したと指摘しています。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は5日、「ウクライナ政府の妨害行為による危険性が高まっていて、状況はかなり緊迫している」と述べ、主張が対立するなか、不測の事態への警戒が続いています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は4日、NATO=北大西洋条約機構が今月11日からリトアニアで首脳会議を開くのを前に、ロシアが情報戦を展開し、ウクライナや欧米側に対し揺さぶりを強めている可能性があるという見方を示しています。