西日本豪雨から5年 インフラの復旧進むも改めて備え求められる

中国地方で甚大な被害が出た西日本豪雨から5年です。仮設住宅などの仮住まいは解消され、被災したインフラの復旧はほぼ完了しました。一方、大雨の被害が各地で相次ぎ、改めて備えが求められています。

2018年7月の西日本豪雨で、中国地方では災害関連死を含めて、広島県で152人、岡山県で95人、山口県で3人のあわせて250人が亡くなり、8人の行方が今もわかっていません。

豪雨から5年となる6日は各地で追悼の行事が行われ、大きな被害が出た岡山県倉敷市真備町の追悼式では、新型コロナの5類移行を受けて参列者は去年より大幅に増える見込みです。

被災地の復旧は進み、借り上げ型を含む仮設住宅への入居は、多いときで、岡山県でおよそ3400世帯、広島県でおよそ1300世帯にのぼりましたが、5日までにいなくなりました。

川の堤防や砂防ダムなどの復旧工事は、岡山県ではすべて完了したほか、広島県でも5月末には全体の2523か所のうち99%にあたる2505か所で完了しました。残りも今年度中に完了する予定です。

一方、今月1日には山口県で「線状降水帯」が発生し大きな被害が出るなど、今でも各地で大雨被害が相次いでいます。

広島県は住民が避難のタイミングなどを時系列で決めておく行動計画「マイ・タイムライン」の作成を呼びかけていて、一人ひとりが適切に避難できるような備えが改めて求められています。

にぎわいをどう取り戻すか 課題に

岡山県では、仮設住宅がすべて解消され堤防の復旧や河川の改修が進む一方、人口が大きく減った被災地もあり、にぎわいをどう取り戻すかが課題となっています。

2018年7月の西日本豪雨で、岡山県内では川の氾濫や土砂災害が多発し、災害関連死も含め95人が死亡、建物への被害は合わせて1万6000棟余りにのぼりました。

豪雨のあと、プレハブなどの仮設団地と民間のアパートを活用した「みなし仮設」に、ピーク時には合わせて3415世帯が入居していましたが、自宅の再建などが進んだ結果、仮設団地は去年9月までになくなり、「みなし仮設」も5日までになくなりました。

また、岡山県内の河川のおよそ800か所で堤防が決壊するなどしましたが、これらの復旧工事は、去年3月までにすべて完了しました。

さらに、倉敷市真備町での大規模な浸水被害につながった小田川については、氾濫を防ぐため高梁川との合流点を4キロ余り下流に付け替える大がかりな改修工事が続いています。

進捗(しんちょく)率は先月時点で8割を超え、今年度末に完成する予定です。

一方で、真備町の人口は被災前と比べおよそ1割、2000人余り減少していて、被災地ではかつてのにぎわいをどう取り戻していくかが課題となっています。