【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる6日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ベラルーシ大統領 “ワグネルの対応 プーチン大統領と近く会談”

ロシアと同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領は6日、記者団に対して「近くプーチン大統領と会談することで合意した。今後のワグネルの運用についても協議すると思う」と述べ、ロシアで武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの対応についてプーチン大統領と近く会談する計画があると明らかにしました。

これに対してロシア大統領府のペスコフ報道官は6日、両首脳による会談について「必要に応じて行われるだろうが、日程はまだ決まっていない」と述べるにとどめ、ワグネルが主な議題になるかも明言を避けました。

英司法相 ウクライナでの戦争犯罪追及「最大の難関は証拠」

イギリスのチョーク司法相は、ロシアが軍事侵攻を続けるウクライナでの戦争犯罪について「最大の難関は証拠だ」と述べ、ウクライナの捜査技術の向上に向けて日本とともに支援したい考えを示しました。

日本を訪れているイギリスのチョーク司法相は6日、都内でNHKのインタビューに応じ、ウクライナでの戦争犯罪の追及について「裁判は公正でなければならず、捜査員はどうやって証拠を収集するか、理解しないといけない」と述べ、ウクライナで公正な裁判を実現させることが日本とイギリスの役割だという考えを示しました。

その上で「最大の難関は何よりも証拠だ。法廷で認められるような証拠が欠かせず、目撃者の証言や、公的に入手可能な証拠を集める必要もある」と強調し、ウクライナの捜査技術の向上に向けて日本とともに支援したい考えを示しました。

また、ウクライナの子どもたちがロシア側に移送されたことをめぐり、ICC=国際刑事裁判所が、ロシアのプーチン大統領に対し戦争犯罪の疑いで逮捕状を出したことに触れ「何が起ころうともイギリスはICCを支持する。ウクライナの人たちが正義を得られるように尽くしたい」と述べました。

ルカシェンコ大統領 “プリゴジン氏はロシア国内に”

ベラルーシの大統領府によりますと、ロシア国内で武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの代表・プリゴジン氏について、ベラルーシのルカシェンコ大統領は6日、記者団に対し「プリゴジン氏はサンクトペテルブルクにいる。モスクワに行ったかもしれないが、ベラルーシ国内にはいない」と述べ、プリゴジン氏がロシア国内にいると明らかにしました。

また、ワグネルの戦闘員については「常設のキャンプにいる」としています。ただ、キャンプの場所は明確にしていません。

ルカシェンコ大統領は、ロシアのプーチン政権とプリゴジン氏の間で仲介役を担ったとされ、先月27日にはプリゴジン氏がベラルーシ国内にいると明らかにしたうえで、ベラルーシでワグネルの部隊を受け入れることに歓迎する考えを示していました。

“リビウにミサイル攻撃 4人死亡”ウクライナ内務省発表

ウクライナの内務省は6日、西部のリビウ市内にミサイル攻撃があり、4人が死亡し、32人がけがをしたと発表しました。

現場を撮影した映像では、複数のアパートの天井や外壁が大きく壊れ、がれきが散乱している様子が確認できます。

リビウのサドビー市長はSNSに投稿した動画のなかで、被害を受けた建物の数は50以上にのぼると明らかにし「軍事侵攻が始まって以来、リビウでの民間の建物に対する最も大きな攻撃だ」と述べました。

ゼレンスキー大統領は「敵にはきっと報復が行われる。それも強力なものだ」とSNSに投稿し、ロシアを非難しました。

ゼレンスキー大統領「ロシアは原発を砲撃の隠れみのに」

ゼレンスキー大統領は5日公開した動画で、ロシア側が占拠しているザポリージャ原子力発電所について「ロシアはこれまでザポリージャ原発を近隣の都市への砲撃の隠れみのにしてきた。大砲を原発の敷地内やその近くにおいて砲撃している」と述べました。

そのうえで「ロシア側は原発に爆発物を仕掛けている」と述べロシア側を強く非難しました。

ザポリージャ原発めぐり ウクライナとロシアが非難の応酬

ウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所をめぐり、爆発物が設置されたなどとされる問題で、ウクライナとロシア、双方が非難の応酬を繰り広げて、不測の事態への警戒が続いています。

ザポリージャ原子力発電所をめぐり、ウクライナ軍の参謀本部は4日、「原発の3号機と4号機の建屋の屋根に爆発物のようなものが設置されたという情報がある」と明らかにし、ゼレンスキー大統領も5日、政権幹部や軍の司令官などを招集し、原発の保護に向けて対応を協議したと明らかにしました。

またウクライナ外務省は5日、SNSで「ロシアは爆発物を設置し、ヨーロッパ最大の原発が原子力事故に脅かされている。世界は直ちに行動を起こす時だ」と訴えました。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は5日、「ウクライナ政府の妨害行為による危険性が高まっていて、状況はかなり緊迫している」と述べ、主張が対立するなか、不測の事態への警戒が続いています。

ゼレンスキー大統領 原発の安全対策を進めていること強調

ウクライナのゼレンスキー大統領は5日に公開した動画で、「わが国の原子力発電所の安全について長時間、詳細に議論した。そして重要な決定を下した」と述べ、原発の安全対策を進めていることを強調しました。

そのうえで「ザポリージャ原発の状況とロシアによる脅威について情報不足に陥らないよう、関係国と最大限、連絡を取り合っている」と述べ、各国と緊密に情報共有を進めていることを明らかにしました。

“習主席がプーチン大統領に核兵器を使用しないよう警告” 英紙

イギリスの経済紙、フィナンシャル・タイムズは5日付けの電子版で、中国の習近平国家主席がことし3月、ロシアの首都モスクワを訪問し、プーチン大統領と会談した際、ウクライナへの軍事侵攻で核兵器を使用しないように警告していたと伝えました。

欧米側や中国の当局者の話として、習主席が、個人的にプーチン大統領に対し、核兵器の使用について警告したとし、「中国側がロシアの戦争について懸念を抱いていることを示すものだった」としています。

首脳会談をめぐっては、当時、ロシア大統領府は両首脳があわせて10時間以上にわたり協議し、通訳だけを交えた1対1の非公式の夕食会も行ったと明らかにしていました。

報道についてロシア大統領府のペスコフ報道官は5日、「確認できない。習主席の訪問後、報道機関向けの多くの声明を発表したが、それ以外はすべて作り話だ」と否定しました。

ロシア前大統領 国営通信へのインタビュー内容公開

ロシアの前の大統領で現在は安全保障会議の副議長をつとめるメドベージェフ氏は、国営のタス通信のインタビューに応じ、その内容を5日、SNSで公開しました。

この中で、メドベージェフ氏はウクライナへの軍事侵攻について「NATO=北大西洋条約機構、主にアメリカがウクライナに対して今すぐにでも兵器や弾薬の供与を止めれば、特別軍事作戦はほんの数日で終わるだろう」などと一方的に主張しました。

さらに「どんな戦争でも早期に終結することはできる。平和条約を締結するか、または、1945年にアメリカが広島と長崎に対して核兵器を使用したようにするかだ」などと述べました。

メドベージェフ氏は強硬派として知られ、これまでも核兵器の使用を辞さない構えを示し、欧米やウクライナへの威嚇を繰り返しています。