大阪 吹田市教委が“君が代暗記調査” 市長“進め方に問題”

ことし3月、大阪 吹田市の教育委員会が、市内の小中学校に対して、君が代の歌詞を暗記している児童・生徒の数を調査していたことがわかりました。後藤圭二市長は「教育の現状を把握すること自体は問題ない」とした一方で、手をあげさせる調査方法が「内心の自由を侵す可能性があると想起させるような行為だった」と進め方に問題があったという認識を示しました。

吹田市教育委員会の学校教育部は、ことし3月、市議会の委員会で議員から受けた質問に回答するため、市内に54ある公立の小中学校に対し君が代の歌詞を暗記している児童・生徒の数を調査していました。

学校教育部によりますと、こうした調査は2012年から5回にわたって行われていたということです。

これについて後藤市長は5日の記者会見で「教育の現状を把握すること自体は問題ない」と述べました。

そのうえで、一部の学校で手をあげさせて調査していたことについては「内心の自由を侵す可能性があると想起させるような行為だった」と述べ、進め方に問題があったという認識を示しました。

また、後藤市長は、国歌について、学習指導要領では正しく歌えるようにすることが大切とされているものの、暗記までは求めていないと説明したうえで「調査をどのような方法でやるのか、担当部署が事前に相談してくれていたら内心の自由を侵すおそれがないか判断できたし、今回のような社会のざわめきに至らなかった」と述べました。