奈良 生駒 川の変色 入浴剤に使う化学物質が原因 人体に害なし

5日朝、奈良県生駒市を流れる竜田川などの水が緑の蛍光色に変色しているのが見つかり、県が川の水を分析した結果、入浴剤などに使われる「フルオレセインナトリウム」という化学物質が原因だと分かりました。人体に害はないということで、生駒市は安全性が確認できたとしています。

5日午前5時ごろ、生駒市内を流れる竜田川が緑色になっていると住民から連絡があり、市の職員が確認したところ、竜田川が広い範囲で緑の蛍光色に変色しているのが見つかりました。

原因を探るため市と県で上流側を調べたところ、竜田川に流れ込む「モチ川」から緑色の水が流れ込んでいて、モチ川沿いの柵などには赤茶色の物質が付着していました。

水をかけると緑色に変色したため、この赤茶色の物質が原因とみて、県が川の水を分析した結果、「フルオレセインナトリウム」という化学物質が検出されたということです。

県によりますと、「フルオレセインナトリウム」は入浴剤などに使われる発色剤の主成分で、人体などに害はないということで、生駒市は、安全が確認できたとして、農業用の水などへの使用を控えるよう伝えていた住民への呼びかけを解除しました。

市は、何者かが川に投げ入れた可能性もあるとして警察とも連携して調べています。

竜田川などで見つかったフルオレセインナトリウムについて、天然の色素などに詳しい奈良女子大学生活環境学部食物栄養学科の高村仁知教授は「フルオレセインナトリウムは医療の分野などで使われている人工的な色素で、眼科では角膜や網膜の傷を見やすくすることなどに利用されている。また、水道や水路の水漏れの位置を特定する際にも用いられることがある」と話しています。

下流に住む男性「異常な緑色だった」

変色の発生源とみられるあたりから2キロほど下流側に住む男性は「家のすぐそばの川が朝起きたら緑になっていた。異常な緑色だったので危険物に見えて、工場で何かあったのかなと気になって上流まで見に来ました。色が変わっているだけで、においなどの異変は感じません」と話していました。