タリバンが国内の美容院閉鎖決定 女性の服装や教育制限強める

アフガニスタンで実権を握るイスラム主義勢力タリバンは、国内にある美容院を閉鎖させることを決めました。
現地では、タリバンが権力を掌握して以降、女性の服装や教育の制限を強めています。

アフガニスタンのタリバンの暫定政権で、独自のイスラム法の解釈に基づき国民の行動を監視している勧善懲悪省の報道担当者は、NHKの取材に対し、4日までに国内にある美容院を閉鎖させることを決めたと明らかにしました。

すでに首都カブールの地元当局には美容院に対する営業の許可を取り消すよう命じたということです。

カブールで美容院を経営する女性は「美容院は女性にとって唯一、快適に過ごせる場所だった。イスラムの教えに反することはしておらず閉鎖はしたくない」と話していました。

タリバンの暫定政権は去年、女性に対し家族以外の男性の前では髪を隠すために使うスカーフの「ヒジャブ」で顔も覆うことを義務づけるなど、服装をめぐる規制を強化し、ほとんどの地域で女性が通えるのは小学校までとして教育への制限も強めています。

国連アフガニスタン支援団は4日、ツイッターに「女性の権利の新たな制限は経済にも悪い影響を及ぼす」などと投稿し、タリバンの暫定政権に美容院の閉鎖をやめるよう求めています。