コメの消費拡大へ 全国の飲食店に丼メニューの充実を呼びかけ

人口減少や食の多様化でコメの需要が減少する中、全国の飲食店に丼のメニューの充実を呼びかけ、需要を喚起する取り組みが始まっています。

これは、JA全農と飲食店の予約サイトを運営する「ぐるなび」などが今月から共同で開始し、全国のおよそ400の飲食店が参加します。

各店に丼のメニューの充実を求めるとともに、商品を特設サイトで公開して人気投票を行うなど、需要喚起に向けたキャンペーンを展開します。

このうち、東京 千代田区のイタリア料理の店では、従業員に出していた賄いをアレンジし、ごはんの上に子羊の煮込みやバジルソースなどをかけた丼を新たに販売します。

JA全農などによりますと、丼のメニューは使われるコメの量が通常の定食の1.6倍と需要の拡大につながるうえ、飲食店にとっては調理や片づけなどが簡単で、人手不足の軽減にも役立つとしています。

人口減少や食の多様化でコメの需要はここ10年で100万トンほど減少していますが、主催者などはキャンペーンを通じておよそ6000トンのコメの消費拡大を見込んでいます。

JA全農の横田麻美さんは「丼はスプーンでも手軽に食べられるので、外国人観光客の需要にも期待している」と話しています。

また、農林水産省は小麦粉の代わりに米粉を使ったパンなどの商品開発や製造設備の強化などを支援していて、コメの需要喚起の取り組みが広がっています。