イスラエル“過去20年で最大規模の作戦” パレスチナ人9人死亡

パレスチナのヨルダン川西岸地区で3日、イスラエル軍が大規模な軍事作戦を実施するなどして、パレスチナ人9人が死亡しました。作戦は過去20年で最大規模とみられ、パレスチナ側も抵抗を続ける構えで、緊張がさらに高まることが懸念されています。

パレスチナのヨルダン川西岸地区の北部にあるジェニンで、3日未明にイスラエル軍が大規模な軍事作戦を実施し、地上部隊に加え、無人機による上空からの攻撃などを行いました。

パレスチナ側によりますと、この軍事作戦で市民も含めこれまでにパレスチナ人8人が死亡、50人以上がけがをしたほか、別の都市で起きた衝突でも1人が死亡したということです。

軍事作戦が行われたのは1キロメートル四方ほどの難民キャンプで、現地メディアによりますと、イスラエル軍は1000人以上を投入し、西岸地区で行われた作戦としては、第2次インティファーダ以来、過去20年で最大規模とみられるということです。

イスラエル側は、この難民キャンプについてイスラム組織ハマスやイスラム聖戦など複数の勢力の合同の活動拠点となっているとみて、対テロ作戦だとする軍事作戦をたびたび実施してきました。

ただ、パレスチナ側の武装勢力もさらなる抵抗を続ける構えで、イスラエルとパレスチナの間で緊張がさらに高まることが懸念されています。

国連 事務総長「事態を深く憂慮」

イスラエルが大規模な軍事作戦を実施したことについて国連のグテーレス事務総長は3日、報道官を通じて声明を出し「ジェニンでの事態を深く憂慮している」とした上で国際人道法を尊重するよう求めました。