EV「全固体電池」量産化へ 部材手がけるメーカーも開発強化

自動車メーカー各社が高性能の次世代電池「全固体電池」の開発を加速させる中、電池の部材を手がけるメーカーでも、量産化に向けた取り組みなどを強化する動きが相次いでいます。

「全固体電池」は充電時間を短縮し、走行距離を大きく伸ばすことが期待できることから、EV=電気自動車の競争を勝ち抜くための重要技術として自動車メーカー各社が研究開発を加速させていて、
▽トヨタ自動車が早ければ2027年に、
▽日産自動車が2028年度までに、
▽ホンダが2020年代後半の実用化を目指しています。

こうした動きをチャンスとみて、電池の部材を手がけるメーカーでも開発強化の動きが相次いでいて、出光興産は「全固体電池」の主要部材となる「固体電解質」の実証プラントを今月から千葉県内に新たに建設して2か所に増強しました。
2027年中の量産技術の確立を目指しています。

リチウム電池材料部の岡野圭子さんは「高品質な固体電解質を大量に製造することが課題としてあるが、ここで実証などを重ねて、量産技術の確立と事業化へと進めていきたい」と話しています。

量産化に向けては、
▽三井金属も埼玉県にある試験用の施設のラインを増やすほか、
▽住友金属鉱山も愛媛県に電池の材料の実証設備を導入する方針です。

世界的にEVの開発競争が加速する中、素材メーカーも含めて日本企業が技術をリードできるかが注目されます。