ウクライナ出身ヤブグシシンさん 新弟子検査受検 侵攻逃れ来日

大相撲の新弟子検査が行われ、ウクライナ出身で、去年、ロシアによる軍事侵攻から逃れて来日した、ダニーロ・ヤブグシシンさんが受検しました。

大相撲では、力士として入門するための新弟子検査が年6回の本場所の前に実施されていて、3日は、7月に行われる名古屋場所を前に名古屋市の病院で検査が行われました。

参加者はウクライナ出身の19歳、ヤブグシシンさん1人だけで、身長1メートル67センチ以上、体重67キロ以上の基準を満たしているかを調べる身体測定などを受け、身長1メートル80センチ、体重125キロと基準を満たしました。

ヤブグシシンさんは7歳から相撲を始め、4年前の世界ジュニア選手権で来日した際に3位に入賞しました。

その後、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から逃れて、相撲を続けるため、去年4月に来日し、来日のきっかけとなった友人がいる関西大の相撲部で稽古を積みました。

そして、去年12月、安治川部屋に入門し、研修生として生活していました。

検査のあとヤブグシシンさんは「半年の研修が終わって本当にうれしい」と明るい表情で答えました。

両親はドイツで生活していますが、21歳の兄がウクライナで暮らしているということで、「寂しさは少しあるが、家族のために頑張りたい」と話していました。

目指す力士としては師匠で元関脇 安美錦の安治川親方を挙げ、「前みつを取って、頭をつける相撲をとりたい。関取になりたい」意気込みました。

検査に合格すれば、ウクライナ出身としては雷部屋の新十両、獅司に続き2人目の力士で、獅司からも「頑張って」と激励のことばをかけられたということです。

検査の合格者は名古屋場所の初日、7月9日に発表されます。