中国 王毅政治局委員 日韓とアメリカの関係強化の動きをけん制

日本と中国、韓国の3か国間の協力を進める国際機関が開いた会合で、中国で外交を統括する王毅政治局委員が講演し「われわれは独立自主を堅持し、団結して強くならなければならない」と述べ、日韓両国がアメリカとの関係を強化する動きをけん制しました。

この会合は、3つの国の政府が結んだ協定にもとづいて設立された国際機関「日中韓三国協力事務局」が3日に山東省の青島で開き、それぞれの国の交流団体や大学、地方自治体の代表などが出席しました。

開会式で中国で外交を統括する王毅政治局委員が講演し、アメリカを念頭に「団結を分裂に置き換えようと試みている。この傾向を放置すれば3か国の協力の進展を妨げ、地域の緊張と対立を激化させる」と述べました。そのうえで「われわれは独立自主を堅持し、団結して強くならなければならない。外部の干渉を排除し、持続的な発展を実現できる」と述べ、日韓両国がアメリカとの関係を強化する動きをけん制しました。

また、東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めて海に放出する計画についても触れて、「海洋の生態環境と人民の生命と安全にかかわるものだ」として、改めて反対する姿勢を示しました。

開会式では日韓両国の外相のビデオメッセージも流され、林外務大臣は2019年を最後に開かれていない3か国の首脳会議の再開に意欲を示しました。