東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を、基準を下回る濃度に薄め、夏ごろから海に放出するとした政府の方針について、2日、公明党の山口代表は、いたずらに不安を招かないよう海水浴シーズンの放出開始は避けるべきだという認識を示しました。
これに関連し、松野官房長官は午前の記者会見で、夏ごろとしている放出時期の政府方針を変えることはないか記者団に問われ、「変更はない」と述べました。
そのうえで「処理水は規制基準を厳格に順守し、安全性を確保して海洋放出することにしている。こうした徹底した安全性の確保については、テレビCMやWEB広告で情報発信を強化する取り組みなどを進めている」と説明しました。
そして「処理水の具体的な放出時期は、安全性の確保や風評対策の取り組みの状況を確認するとともに、さまざまな要素を考慮し、政府全体として総合的に判断する」と述べました。

福島第一原発 処理水の放出 “夏ごろに変更はない” 官房長官
福島第一原発にたまる処理水の海への放出開始について海水浴シーズンは避けるべきだという声が与党内から出ていることに関連し、松野官房長官は、夏ごろとしている放出時期に変更はないとしたうえで、具体的な時期は安全性の確保などを確認し、総合的に判断する考えを示しました。
共産 小池書記局長「与党が混迷している」
また、共産党の小池書記局長は、記者会見で「与党が混迷している。政府は漁協などが強く反対してきたにもかかわらず、安全性は証明されていると言ってきたが、海水浴シーズンを避けることになれば、安全ではなく問題があると認めることになるのではないか」と批判しました。
その上で「全く合理性がない発言だ。海水浴シーズンを避けるというようなことを言うのであれば、処理水の放出そのものをやめるべきだ」と述べました。