高校生の就職活動スタート 企業間で高卒人材 採用強化の動き

来年春に卒業する高校生の就職活動が3日から始まります。深刻な人手不足が続く中、企業の間では高卒人材の採用を強化する動きが活発になっています。高校3年生の就職活動は、企業の求人票が公開され、3日から事実上、スタートします。

積水ハウスグループは、住宅の建設を担う「技能工」の社員で、高卒と専門学校卒の採用を来年度は今年度よりも2倍以上拡大し、95人とする計画です。

また、高卒の社員の初任給を2年連続で引き上げて、来年度からは19万5000円とし、待遇の改善も進めています。

積水ハウス建設事業本部の人事責任者、岸本久樹さんは「業界全体が高齢化し若手の人材が少なくなっている。来年4月からは時間外労働の上限が適用されることから、人数を増強する必要がある」と話しています。

また、キリンビバレッジは、これまで行ってこなかった高卒人材の採用を、来年春から新たに始めることにしています。

人材の獲得競争が続く中、従来の大卒などの採用で計画どおりの人数の確保が難しくなっていることが理由だとしています。

一方、高卒人材を長年、採用している企業では、定着率の上昇にもつながる取り組みをしています。

アイリスオーヤマは、内定者を対象に、入社前にビジネスマナーを学ぶ研修を行っています。

高校生活から社会人になる際の不安を解消することもねらいです。

ファンケルグループでは、高卒の新入社員はこれまで1つの工場に1人配属されることが多く、来年度からは2人以上にすることを決めました。

同期入社の社員が同じ職場にいることで、日常的なコミュニケーションを深めやすい環境づくりを進めることにしています。

企業情報に触れる機会が少ないことが大きな課題

高校生の就職活動をめぐっては、企業の情報に触れる機会が少ないことが大きな課題となっています。

厚生労働省の調査によりますと高卒人材の入社後1年以内の離職率は2021年卒で16.6%にのぼり、大卒と比べて4ポイント余り高くなっています。

特に高校生の場合は、就職活動がスタートし、採用面接が始まるまでの期間がおよそ2か月間と短く、就職先の判断材料となる企業の情報に直接触れる機会も限られています。

このため、いわゆるミスマッチにつながっていることが高い離職率につながっています。

高校生の就活を支援する会社「ジンジブ」の近藤海里さんは「1社を見学し、1社を受験してそこに就職することを決めることが多いのが現状だ。複数の会社を比較検討する時間も機会も少なく、ミスマッチになりやすい」と話しています。

この会社では、高校生の就職活動がスタートする前の期間に、さまざまな企業の説明や簡易的な職場体験を受けられるイベントを開いています。

ことしは解禁日の2か月前から全国14の会場で行われました。

合わせて384社が参加し、およそ2800人の高校生が集まったということです。

会社では、学校に対しても参加を呼びかけ、高校生のミスマッチの解消につなげたいとしています。